コロナ禍を経て、小中高校生の不登校の理由が「いじめ」から「ストレス」に変化していることが2025年5月21日、プレマシードの調査結果から明らかとなった。 「コロナ禍の学齢別不登校経験とその理由に関する調査」は、2025年4月8日から17日にかけて、プレマシードが実施。コロナ禍における小・中・高校生と大学生以上の計600名を対象に、不登校の理由がどのように変化したかを調査した。 調査結果によると、不登校経験がある小・中・高校生の55.0%が「ストレスによる体調やメンタルの不調」を理由にあげた。一方、大学生以上では「いじめ」がおもな理由となっている。プレマシードの代表である岩田彰人氏は、「コロナ禍を経て不登校の理由が変わった」と指摘。子供たちがストレスを抱えるようになった背景には、コロナ禍での生活スタイルやコミュニケーションの変化も一因にあると考察している。 学校に行きたくないと感じた時期で、もっとも多かったのは「中学2年生時」で19.9%、ついで「中学1年生時」が13.2%、「高校2年生時」が11.6%、「高校1年生時」が10.9%であった。これらの時期は進路を考える始める時期や新しい環境に変わる時期であり、不安が「学校に行きたくない」という感情につながっていることがうかがえる。 また、登校スタイルや授業の受け方についての経験も調査された。「教室で授業には参加するが、内心『学校に行きたくない』『つらい』『嫌だ』と感じていた」という回答は、不登校経験の有無に関わらず50.0%以上にのぼった。不登校経験がない人でも約40%が同様に感じていたことも明らかになった。 相談相手についての質問では、大学生以上の不登校経験者は「母親」が64.9%ともっとも多く、ついで「スクールカウンセラー」が28.1%、「父親」が26.3%であった。一方、小・中・高校生の不登校経験者は相談相手が分散している傾向が見られた。 不登校の理由として「病気以外の理由で、1年間に30日以上学校を休んだことがある」と回答した人の中でも、小・中・高校生は「ストレスによる体調やメンタルの不調」がおもな理由であり、大学生以上は「いじめ」がもっとも高かった。 不登校中の過ごし方は、「自宅でゆっくり休む」が91.5%でもっとも多く、ついで「テレビ視聴」が83.7%、「インターネット・ゲーム・動画視聴など」が71.6%であった。小・中・高校生は「SNS」が75.0%と全体を大きく上回り、前向きな行動も多く見られた。 不登校に対する引け目を感じるかどうかについては、76.6%が「引け目を感じることがある」と回答。特に小・中・高校生の割合が高かった。 復学についての質問では、「どちらともいえない」が48.7%でもっとも多く、ついで「わからない」が25.3%であった。小・中・高校生の不登校経験者は「復学するべきだと思う」という回答が22.5%と全体より高かった。 復学を目指さず、環境を変えることについては、「とても良いと思う」が22.0%、「良いと思う」が46.0%で、合計68.0%が好意的に捉えていた。小・中・高校生の不登校経験者は「良いと思う計」が80.0%に達し、環境を変えることを前向きに捉えていることがわかる。 また復学せずに、通信制高校やフリースクールなどで学ぶことは不登校の解決に「なっている」と思う割合は70.7%で、小・中・高校生の不登校経験者は「なっている」が86.3%であった。若年層は通信制高校やフリースクールが不登校の受け皿になっていると感じているようだ。