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解散の判断

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「どうして解散するんですか?」

このタイミングでの安倍晋三首相の解散の判断は多くの人が疑問に思っているようです。産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査(22.23日実施)では、解散を決断したことに「適切ではない」が72.2%を占めました。また、朝日新聞の全国緊急世論調査(19、20日実施)でも、「この時期に解散・総選挙をすること」について「反対」が62%を占めています。

まさに、冒頭の疑問が多くの人びとの頭の中によぎったのではないでしょうか。

この疑問を問うホームページが作られました。その名の通り「どうして解散するんですか?」。このサイトは自称、小学4年生、10歳の「放送部の中村」さんが製作したものでした。
小学生が現代の政治にあれこれ疑問に思うのはあり得るかもしれません。しかし、内容から見て、「大人がかかわっているのではないか?」との疑問がうかびました。

当初は公式ツイッターで「みんな小学生がこんなこと出来る訳ないって思ってると思うけど全部僕たちの力だよ。僕たちはただ聞きたいんだ」とつぶやいていましたが、
少なくともドメイン名の取得が、NPO法人「僕らの一歩が日本を変える。」の代表理事で、大学生の青木大和さんが関わっていました。
結局、自作自演だということがわかり、公式サイトで謝罪をし、NPOの代表理事を辞任することにもなりました。

謝罪の言葉にはサイトを立ち上げた理由が書かれています。

「なぜ解散するのか、理由がわからず、僕の頭の中には多くの疑問が残りました。そんな時に常に社会に対して疑問を持ち、どうして?なんで?と大人に問いかけていた自分の幼少期を思い出しました。当時の僕だったらこの問題に疑問を持ち、どうして?なんで?解散するの?と聞いていたと思うようになりました」

その上で、「ウェブサイトを作り、僕が小学4年生を自演することで面白いとみなさんに受け止められ、より多くの方を巻き込んだ形」にしたかったようです。

気持ちはわからなくはありません。その疑問は産経・FNNの調査でも、朝日の調査でも同じような国民が多くいることを示しています。
その疑問を、等身大の今の自分の目線でウェブサイトを作ればよかったのに、と思います。

仮に「小学4年生」で、「放送部の中村」を名乗るのならば、実在する小学4年生で解散に疑問を持っている人物を探し出して、その小学生が主人公で進める形にすればよかったのではないかとも思ったりします。

この件はネットの一部では「炎上」をしました、さらにその「炎上」の油を注いだのが安倍首相でした。
フェイスブックで「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為だと思います。選挙目当ての組織的な印象操作ではないでしょうが、選挙は政策を競い合いたいと思います」と書きました。

ネット上ではすでに決着済みのタイミングで、しかも政治的にはそれほど影響していない問題について、首相がフェイスブックでコメントすることに賛否はあるかと思います。
私は大人気ないと思ってしまいます。逆に考えれば、それほど、この「解散の是非を問う行為」について、ナーバスになっているのかもしれません。

今回の解散・総選挙は、なぜかこれまでの同様の解散・総選挙ほど、盛り上がりません。野党が不信任案を出したわけでもなく、与党内でも反安倍の動きが強まったわけでもありません。
そのため、与野党ともにモリベーションが上がらないのか、恒例の解散時の「万歳」もバラバラになっていました。

では、この解散・総選挙は何を問う選挙なのでしょうか。安倍首相は、自民・公明と民主の三党合意による消費税増税を決めたが、それを先送りしたことを理由に解散をしたと説明しています。
また、総選挙の争点はアベノミクス(安倍内閣の経済政策)の是非だとしています。しかし、アベノミクスが争点であったとしても、国会で論争すればよいことです。

今回の解散を経ても、産経・FNNの調査でも朝日の調査でも、自民党の支持率は大きく減少しているわけではありません。野党第1党の民主党も大きく増加したわけでもありません。
枠組みが変化しないということは、次回の総選挙では、与党の総投票数と野党の総投票数が大きく変化しないということです。

もちろん、野党の選挙協力により、野党の議席数が多くなる可能性はあります。ただ、知人の記者たちに総選挙のことを聞いてみても、「今回の選挙はまったく盛り上がらない」と口を揃えます。
師走の選挙ということもありますし、世論の大きな変化もありません。そのため、「風が吹いていない」とも言っていました。

12月14日が投票日とされています。枠組みの大きな変化は今のところ、期待できる情勢ではありません。
だとすれば、個別政策で決めるしかありません。各政党が公約を発表しています。
安全保障(集団的自衛権を認めた閣議決定の是非)や原発政策(原発の再稼動の是非)、貧困政策(子どもの貧困対策の是非)、社会保障政策(年金制度改革や生活保護支給額の引き下げの是非)...などを付き合わせて見ていくしかないのでしょう。

[ライター渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]
《NewsCafeコラム》

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