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少年の行動に称賛相次ぐ

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英語圏において【Pay it forward】という言葉がある。日本語訳では、「恩送り」という意味だ。「恩」とは、めぐみ、いつくしみ。誰かから受けた恩を自分は別の人に送る。そして、その送られた人がさらに別の人へ渡す。そうして「恩」が世の中をぐるぐる回ってゆくことを「恩送り」という。2000年製作のハリウッド映画「ペイ・フォワード/可能の王国」で恩送りの概念が再認識され、社会現象化したのはもう十数年前の話。十数年の時を経て、アメリカの男の子の素晴らしい行いが今、話題を呼んでいる。

米オハイオ州に住む8歳のマイルス・エッカートくんは、近所のレストランの駐車場で20ドル(2100円)を拾った。マイルスくんは警察に届ける気もなく、浮かれながら食事をしていた。これで何を買おうか?と考えを巡らせた結果、「ビデオゲームでも買おう!!」と決心。ところが、そんな彼の気持ちが揺らぐ"ある人物"がレストランで食事をしていた。その人物は、軍服を身にまとった男性の姿だ。フランク・デイレイ中佐は家族と早めのランチをとろうとお店に来ていた。ランチ後、マイルスくんは、お会計を済ませ出ようとする母を呼び止め、先ほど拾った20ドルと一緒に中佐へこのように手紙を綴り手渡した。

親愛なる、兵隊さんへ

ぼくのパパも兵隊さんだったんだ。でも、今は天国にいるの。この20ドルはレストランの駐車場で見つけたんだけど、パパのおかげでぼくたち家族はとても幸せになれたので、パパへのありがとうの気持ちを兵隊さんにおすそ分けをしたいんだ。だからこれはあげる。今日は兵隊さんのラッキーデーだよ!お仕事ご苦労さま。 ゴールド・スター・キッド・マイスル・エッカートより。
※「ゴールド・スター・キッド」とはイラクやアフガニスタンで親を亡くした子どもたち

マイルスくんの父は米陸軍軍曹であり、彼が生後5週間頃にイラクで亡くなっていた。「生後5週間」といえば、まだ1人で立つこともままならず、ましてや父の記憶はないに等しいだろう。しかし、この出来事の後、彼はインタビューを受け、父の存在について「とてもいい人で、本当に面白い人なんだ!!」と語っている。マイスルにとって、戦地という命がけのフィールドで仕事をしていた父の姿は、尊敬すべき人物であり、また、憧れの存在でもあるのだろう。さらに、思いもよらぬギフトを受け取ったフランク中佐は「信じられない行動だ。この手紙は毎日見返しているよ」と語り、深く感心していた様子だ。マイルスくんの手紙の中には、冒頭に話した「Pay it forward=恩送り」が使われている。彼は、父から貰った愛情と幸福を、フランク中佐に形を変え「恩送り」したのだ。

最後に。この出来事は決して美談ではない。如何せん、見知らぬ人のお金を拾い、警察へ届けるでもなく他者へ渡しているからだ。確かにお金を盗もうとする行為は「悪」だ。ただ、子供の場合には、善と悪が大人よりも交差しがちであり、その判断は難しいだろう。しかし、マイルスくんが行った「恩送り」は称賛に値するすべき行為には違いない。あなたは、マイルスくんの一連の行為をどのように考えますか?

画像:Myles Eckert(マイルス・エッカート)
参照元:PEREZITOS(英語ページ)
【執筆者:王林】
《NewsCafeコラム》
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