未曾有の大震災からまもなく3年が経とうとしているが、復興が順調だという印象はあまりない。それというのも、昨年夏に復興庁が発表した復興費の執行状況…「政府が予算化した9兆7402億円のうち、35.2%に当たる3兆4271億円が使われていない」という事実が引っかかるためだ。政府は予算を消化できなかった理由について「新たな町づくりや除染の実施計画の策定などで地元との調整に時間がかかった」と説明したが、果たして本当にそれだけが理由なのか…しこりは残る。
一方で昨年は「2020年東京五輪開催決定」という明るい話題もあったのだが、不透明な金の流れが市民に不安を抱かせている感は拭えない。NewsCafeのアリナシコーナーではズバリ「五輪より復興?」という調査が実施されたようだ。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。
【アリ…86.3%】
■当たり前の話でしょ。国立競技場をなおすより他にする事あるだろ。
■復興に回るはずの人材も機器も資材も五輪に取られて更に遅れる。
■五輪は7年先の未来。復興はまさに今、現実の話。
■聞くな!! 復興に決まってんだろ!! またウヤムヤにされかけてるわ…。
■復興工事関係の人が東京に向かい復興工事が進まなくなった。
■ナシの人は仮設住宅に住んでても言える?
■東京じゃなくて、被災地で五輪したら?
■ただ五輪はやはり経済効果があるから復興支援にはつながってる。
■東京を汚さないで。
■未だに苦労してる人たちがいる。笑ってばかりじゃいられないでしょ。
【ナシ…13.7%】
■復興は当たり前です。比べるもんじゃない。
■どちらも大事。今の復興論には賛同できない。
■五輪より復興より、確実な放射能対策を!
■沈んだ気持ちを高揚させる事も必要。
■同時進行で復興する日本、東北の底力を世界に見せたい。
■何を今更。別次元でしょ。アリの人はローン払いながら貯金できないタイプ?
■どちらも、疎かにはできない。
■もう決まったんだから、全力でやろうよ。
■賢く相乗効果を! 外国人に魅力的な東北ツアーを。
■復興は必須、五輪は決定事項。両方やるの! ネガティブ発言するな!
【アリ派】9割弱と圧倒的、残った【ナシ派】も「比べられない、両方やるだけ」という意見が最多だ。テーマがあまりに極端な表現だったため、当然と言えば当然の結果だろう。五輪と復興を二元論的に考えることはできないが、それでも【アリ派】の口調は痛烈だ。前述のような"復興の進捗"への印象…怒りを回答にぶつけているのが見てとれた。
しかし【ナシ派】のコメントにもあるとおり、五輪開催は"決まったこと"だ。精神衛生上、前向きに応援し取り組むのがベストであることは間違いない。2011年、震災に打ちのめされた日本を"なでしこジャパン優勝"のニュースが支えたように…スポーツならではのエネルギーを、東京五輪がもたらしてくれることを願う。
[文・能井丸鴻]
《NewsCafeアリナシ》
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