食欲の秋「ジビエ料理」 | NewsCafe

食欲の秋「ジビエ料理」

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facebookつながりの女性の友人は「食べることに命を懸けている」様である。毎回の「食の写真」には彼女の「食へのこだわり」が感じられる。相変わらずの台風だが、気候は「食欲の秋」に近ずいている。彼女の情報が楽しみである。過日の自宅周りの早朝ウオーキングで「いつも猟犬の紀州犬と一緒の顔なじみ」に出会う。いよいよ狩猟のシーズンと言う事で張り切っていた。「近々 飯能・名栗川の奥に猟に行く。狙いはイノシシだが、最近は鹿ばかり。肉の引き取り手がいなくて…」とのことである。友人のマンションがある「伊豆・天城」でもウオーキングの時「7~8頭のシカの群れ」に良く出会うのである。管理事務所に聞くと「最近は鹿がやたらに増え食害が気になる。鳥獣保護区なので無暗に…で困っている」とのことである。

識者は『環境省の推計では野生のニホンジカ(北海道は除く)は1989年:296000頭・2011年:2160000頭と9倍に増えている。このまま減らす対策を取らないと2025年:500万頭になる。農作物の被害もシカによるものが一番多く85億円。増加の原因には山間地の過疎化・放置農地の増加・温暖化などがあるが「狩猟人口の減少」も大きな原因である。1970年には53万人いた狩猟免許保有者が2010年には19万人に減少している』と言う。

そんな中で「ひそかに注目されているのがシカ肉の調理利用・ジビエ料理」である。料理専門家は『本来はハンターが捕獲した完全に野生のもの(仏: sauvage、ソバージュ)を料理することを指す。ジビエのハンティングには大変気を遣う。銃弾によって可食部分が大きく損傷したり、また内臓が飛び散って味が悪くなってしまってはいけない。また仕止めた後も血抜きや解体といった処理を適切に行う必要がある。鳥類では「マガモ・ヤマウズラ・キジ・ヤマシギ」獣類では「野ウサギ・シカ・イノシシ」が代表的なものである。シカは「クセの少ない淡白な赤身。頭や首の急所を狙って一発で即死させないと暴れて肉に血が回ってしまうためハンターの腕が問われるところである。血抜きも即座に行わなくてはならない」と言われる。日本で一般的に肉食が広まったのは明治時代以降とされているが、それ以前にも狩猟・肉食の文化はあった。マタギやシカリといった猟師がシカやクマ、イノシシを獲っていたし、海から離れた山岳地ではツグミやキジなどの野鳥も食べられていた。テレビ番組「料理の鉄人」で「ジビエ対決」が組まれるなど、知名度が上がるにつれて「ジビエ料理を出すレストラン」も増えてきているが、長野県を例にとると2006年に駆除されたニホンジカ約9,200頭のうち、食肉となったのは820頭で僅か9%に過ぎない』と言う。

3連休に「丹沢・大山」に「名物の豆腐料理」を目当てに出かけたが「イノシシ鍋・シカのもみじ鍋」があり、みんなで食したがいずれも美味であった。「B級グルメ」ではないが「新しい名物料理にジビエ」と思ったのである。都心でも最近「シカ肉をホットドッグ・ハンバーガー・カレー・シチューなどで供する店」が増えていると聞く。「日本型ジビエは日本の山野で育った肉で鮮度がよく・高蛋白低カロリー」である。一度賞味あれ…。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》
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