電子マネーに依存し過ぎると痛い目に合う!? | NewsCafe

電子マネーに依存し過ぎると痛い目に合う!?

社会 ニュース
私は日頃、スマートフォンの電子マネー機能を使っていることが多いのですが、これにより財布への依存度が下がります。電車に乗る時などいちいち財布を取り出すことがないのは便利なものです。依存度が下がるとどうなるのでしょうか。第一に、財布の存在を忘れてしまうのです。

財布の存在を忘れたとしても首都圏であれば、電子マネーで支払えるお店などが多いために不便ではなく、問題はありません。都内でしか動かないというときは、つい財布を自宅に忘れてしまいがちになります。

この点が"あるトラブル"の源となったのです。2月18日のことです。私は福岡県に行くために羽田空港に向かいました。空港の出発ロビーに着いたときです。財布がないことに気がつきました。チケットはインターネットで購入していたため、クレジットカードがないと確認が取れません。案内をしている空港の係員に尋ねると、「身分証明書があれば大丈夫」とのことですが、免許証や保険証は財布のなかです。

「財布がない」状況で考えられるのは、1つは「自宅に忘れた」、二つ目は「落とした」、そして「擦られたか」のいずれかでしょう。電車のなかで居眠りをしていないし、誰かと身体接触があった記憶はありません。そのため「擦られた」という選択肢は消えました。残りは二つですが、電子マネー依存が強く、自宅に忘れることが多い私は、迷うことなく「自宅に忘れた」が頭の中を支配しました。この時点で「落とした」という選択は頭の中からすっかり消えました。そのため自宅に戻りますが、その間、電車や空港の遺失物センターなどに確認はしていませんでした。

「きっと自宅にあるはずだ」と思っていた私は自宅に戻って財布を探しますが、見つけることができませんでした。もしかするとバックの中に入っているのではないかとも思い、中を取り出して確認しましたが、やはりありません。ここで初めて「落とした」という選択が頭に浮かんだのです。私は焦りました。飛行機に乗れないのではないかと思ったからです。航空会社に問い合わせをすると、手続きは、クレジットカード以外での確認として「公共料金の請求書」でもよいということになりました。これで現金はありませんが、電子マネーで空港へ行き、飛行機に乗れることになりました。

しかし「落とした」となればどこかに届けられているかもしれない。そう思った私はまず、この日、最後に財布を見た場所である自宅近くの郵便局へ行きました。確認しましたが、「落し物」はありませんでした。自宅近くの交番に遺失物届けを出しました。

「落とした」となると悪用される可能性もありますので、キャッシュカードやクレジットカードの停止手続きもしなければなりません。そのため銀行などに電話をしたりしました。と同時に、空港に向かう経路を一度目と同じにして、駅に着くたびに改札などで「落し物」を確認したのですが、なかなか見つかりません。

都営線やJRに問い合わせをし、遺失物として届けられたかどうかを確認しましたが、やはり財布はありません。浜松町駅でも聞きましたが、財布の届けみこはありまでん。半分以上、飽きらめかけながら、「東京モノレールのお客様センター」の番号を教えてもらい、電話をしました。すると、羽田空港第二ビル駅に届けられていることがわかりました。私が財布がないと気がついたには羽田空港空港第一ビル。隣のビルの駅にあったのです。

自分でも「間抜けなことをしている。どうして最初から、落とした可能性を考えなかったのか」と思いました。落としたのなら、最初から「お客様センター」に電話をしただろうと思います。財布見つかったのはよかったのですが、自宅と羽田空港との間を二往復することなかったのではないかと思います。第二ビルの駅に行くと、財布を出してくれました。届けてくれたのは誰かと聞くと、係員だということです。

「財布の中身を教えていただけますか?」

「キャッシュカードとクレジットカード、免許証もあるはずです」

そんなやり取りが続き、最後に難関がやってきた。

「では身分証明となるものを提示していただけますか?」

「あの、免許証はその中なんですが...」

一瞬焦りましたが、「財布の中身で確認しましたので大丈夫ですよ」と笑顔で財布を渡してくれました。


[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]
《NewsCafeコラム》
page top