長引く不況、募る不満…「本当は今の仕事を辞めたい」と考えている? | NewsCafe

長引く不況、募る不満…「本当は今の仕事を辞めたい」と考えている?

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今年8月時点での日本の失業率は4.2%だという(総務省調べ)。ここ30年で倍増してはいるものの、欧米諸国に比べれば高くはない数字だ。しかし、この数字について考え違いをしている人もいるのではないだろうか。これは「労働可能人口のうち4.2%の人に職がない」という意味ではない。
完全失業者の定義は、総務省統計局によると「仕事がなくて少しも仕事をしなかった者のうち、就業が可能でこれを希望し、かつ仕事を探していた者及び仕事があれば、すぐ就ける状態で過去に行った求職活動の結果を待っている者」…とある。つまり"職はないが求職活動を行っていない者"は、失業率には反映されないのである。この定義を踏まえて考えると、この数字がまさに氷山の一角でしかないことがわかる。
長引く不況の中、国内の労働環境は厳しくなる一方だ。そこで、NewsCafeのアリナシコーナーでも「本当は今の仕事を辞めたい?」という調査を実施した。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。

【アリ…65%】
■最近毎日思う。でも他に働くとこないから。
■お金があればすぐにでもやめたい。
■疲れちゃった…。
■今の御時世、簡単に辞められないけどね(汗)。
■「今の」限定じゃなくて働きたくない。
■辞めますと言う勇気がない…。
■仕事より会社がイヤになった…というか失望した。
■うつになりました。回復するには辞職しかないようです。
■上司の言ってる事が朝夕で違う。
■忙しすぎて辞めたいのか続けたいのかもわからない。

【ナシ…35%】
■辞めたら大変!! 宝くじにでも当選しない限りは無理!!
■今辞めたら次はない。
■専業主婦だから。
■今さら一から仕事を覚えるのもなぁ…。
■投げ出したくなるけど辞めない!
■40歳過ぎてやっと再就職叶ったのに、贅沢は言わない。
■疲労が半端じゃないけど大好き。生き甲斐かも(笑)。
■好きだし辞めたくない。けど給料がなぁ…。
■好きな仕事。幼いころからの夢が叶ってる。
■2カ月前に転職。前は身体壊れる寸前だった。転職して正解。

結果は【アリ派】が6割超の多数派とはいえ【ナシ派】の数字も少なくはない。4割弱の人は健全な労働環境で伸び伸びと働けているのか…と見てみれば、そういう人はほんの極わずか。面白いことに【アリ派】【ナシ派】ともにコメントは似通っているのである。
単に「仕事に不満はあるが生活のためには辞められない」という判断の人が【ナシ派】に投票しただけのことであった。【アリ派】の人も「辞められないけど辞めたい」という気持ちを投票したので、根っこの部分は同じである。また「仕事自体は好きでも、職場の人間関係や会社のスタンスに疲れてしまった」という声も多かった。
実もフタもない流れになってしまったが、この調査で唯一の救いは、周囲の人も同じような気持ちで仕事をし、毎日を送っていることがわかった点だろうか。働く日本人の"横の連帯感"が感じられた。

[文・野村裕子]
[写・extranoise]
《NewsCafeアリナシ》
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