「海猿」でヒーロー、「悪の教典」ではサイコ教師!? 主演・伊藤英明×三池監督ンタビュー | NewsCafe

「海猿」でヒーロー、「悪の教典」ではサイコ教師!? 主演・伊藤英明×三池監督ンタビュー

芸能 ニュース
「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」(国内部門)でともに第1位を獲得した作家・貴志祐介の人気小説『悪の教典』。
高度なIQをもつ高校の人気教師が学校の生徒を大殺戮する異色の物語──。

この小説が、主演・伊藤英明×監督・三池崇史で実写映画化され、11月10日より全国で公開される。

そして、映画では描ききれなかった原作のストーリー部分を映像化した"もうひとつの物語"『悪の教典―序章―』。今作が、携帯専用放送局BeeTVドラマで、映画公開に先立って配信(DVD発売)を開始した。

ひとつの原作を元に、映画とBeeTVがそれぞれの視点でアプローチ、日常の崩壊を描く映画版に対して、「序章」で描かれるのは日常に潜む見えざる悪意。伊藤英明×三池崇史をはじめ、映画版スタッフが総力を結集して放つ"もうひとつの悪の教典"。

今回、NewsCafeでは、伊藤英明×三池崇史のインタビューをご紹介! 常識を吹き飛ばすBeeTV史上最大の問題作が、今幕を開ける──。

(以下、インタビュー)

◆二つの顔を持つ男の演じわけを、どう意識されましたか。

伊藤「原作のボリュームを映画にするとき、あとからゾクゾクくる怖さをどう(映画の中で)出していくんだろうと思っていましたが、三池監督が撮るというところでそこの安心感はありました。サイコパスという役は到底理解できない役。だけど、原作を読んでいる中でどこかでサイコパスである、殺人鬼である蓮実を応援してしまっている感じがあって…蓮実はすごく純粋だし、動物的な本能を持っている。どう演じるかというよりは、三池監督やスタッフの前で心を裸にしてエネルギーをぶつけようと思いました。
また、ドラマでは映画で表現できなかった原作のストーリーを伏線的に描きたいと思っていましたが、スクリーンサイズから携帯サイズで視聴するという環境でどう見られるのかというところを意識して、小さな画面だから誰が見てもわかりやすい作品に仕上げたいと考えていました。だけど、映画を撮り終えたときに、この作品はドラマ的な誰もがわかる作品じゃなくていいんじゃないかなと思って、そういう意識をせずに演じました。単なる携帯ドラマのくくりからは外れてとてもいい作品になったと思います」

◆伊藤を蓮実に起用した理由は?

三池「蓮実が面白いところは、すべてを持っているのに一つだけ欠けているところ。ちょっと(伊藤と)似ていますよね(笑)。『海猿』でヒーローをやって、同じ年に『悪の教典』で蓮実を演じる。世界中を見てもこんな役者いないと思うし、そういう強さを持っている。自分が『スキヤキ・ウエスタンジャンゴ』を撮っていたときは撮影が終わった後の彼(伊藤)は大体蓮実のような感じでした(笑)。夜のガンマンって自分では言ってましたけど(笑)。
(伊藤は)言いようのない不思議な魅力がある。何のために存在してるかなんて意味はなくて、いろんな人生の選択肢はあったかもしれないけど生まれたときから俳優という定めだったようなことを感じる俳優。生きようとする生命力も強いし、自分らしく生きていたいけどそういう場所がない、孤独の蓮実聖司が少し重なるんです。
(映画の中で伊藤は)後半から目の中身が狂ってくるんですよね。まゆとか表情じゃなくて、演技なんてできないはずの眼球が狂ってる。
普段はクールなんだけど無邪気に笑う笑顔が恐い。そういったところも蓮実的だなと思います」

伊藤「嬉しいですね(笑)」

◆生徒一人一人と向き合って惨殺していく演技上での緊張感はありましたか。

伊藤「常にニュートラルな状態。無心でいました。サイコパスはこうでなければいけない。わかりやすく表現しなければいけないって思うと、自分の幅が狭くなってしまうような気がして、そこは恐かったからこそ裸になれたんだと思います。
生徒役の新人の子たちは特にプレッシャーだったと思うし、監督に怒鳴られる子もいれば優しく諭される子もいるし、三池監督自身も人を使い分けて演出されていたんだと思います。監督は蓮実のように人を見抜く力があって、見透かされているような気がする。だから僕も裸でぶつかっていきました。
5年ぶりの共演でしたがとても愛がある。ものの捉え方、人に対する接し方は"三池塾"で改めてストイックにたたきこまれた気がしました。
自分に勝るものは絶対にないはずだけど、それ以上に自分を引き出してくれるのは監督でありスタッフであり共演者の力であり、だから一緒にぶつかり合うくらいの気持ちでやりました。きれいごとを言うと愛があればなんでもできるかなって。まぁ、愛なんて知らない男ですけど(笑)」

◆映画では伊藤さんのセクシーなシーンも印象的でした。

三池「もちろん魅力的な肉体を手に入れているので生かさないわけにはいかないなと思っていました。蓮実がアメリカに居たときはビジネスマンとしてスーツを着こなして、教師になったらさっぱりした飾らない姿でいた。蓮実がイメージしている人間の服を着ることによってこう見てもらおうという意図があったと思うんですが、それ自体が本来の蓮実にとっては邪魔な存在だったと思うんです。だから家にいると自然に脱ぐ。自分自身でいることが自然だと。
それと、英語の教師にしては不必要な筋肉がついていること自体も映画の伏線として描かれています。それは何かのとき動物的に早く動かなければいけなかったり、強くなければいけないとか。その瞬間がいつ訪れるかわからないからいつも家で鍛えている孤独な蓮実。だから、ほぼ全裸という感じになりました(笑)。
でも、そういった背景があるのでいやらしくなくすごく自然に感じられたと思います。現場の中でもほぼ全裸で動いていましたし、女子スタッフもだんだん慣れていってね(笑)」

◆『海猿』でヒーローから一転、悪役にチャレンジしてみて

伊藤「役者っていつも自信がなくて、もしかしたらできないかもしれないって思うからこそ全力で取り組める、そうゆうのが大事だと思うんです。『海猿』がヒットした年にまったく逆のキャラクターを演じられるのは役者として恵まれているなと思っています。役者を始めて13年くらいになりますが、30代になってからの面白さというのも感じるようになって、40代・50代もしかしたら80代までずっと続いていく役者人生にまたいろんな面白さを感じられるのだろうと思うと本当に楽しみになってきました。
自分が全力でエネルギーを出し切った作品をお客さんに観てもらっていろんなことを感じてもらうことの爽快さは、三池監督に教わりましたね。
キャラクターについてのイメージも監督から言葉で伝えられることはなくて、「蓮実を恐く撮るのも不気味に撮るのも僕の仕事ですからね」といわれていました。
台本を読んだからといって理解できるキャラクターではなかったし、原作を丸写ししてもしようがない。映画をヒットさせよう!とか、明日の撮影のためにエネルギーを残しておこうとかそういった意識もせずに本当に心を裸にしてエネルギーをぶつけていけばいいんだという気持ちで、出し切れるものを出し切った。そういう気持ちが今回は必要だったんだと思っています」

■『悪の教典―序章―』
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■映画『悪の教典』11月10日全国東宝系ロードショー
「悪の教典―序章―」公式サイト
http://www.akunokyouten.com/bigining/
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