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根性を見せろ

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今週もか!と思わずため息がつく。
27日、最終日のヨネックスレディスゴルフトーナメントの件だ。馬場ゆかりと3打差を追いついたフォン・シャンシャンのプレーオフ。2ホール目、バーディを奪ったシャンシャンが今季初勝利。これでワールドレディスチャンピオンシップから連続4試合、5月のトーナメントはすべて韓国、中国人プロの優勝だ。

今季に入っても5試合はそうだ。中でも韓国人プロが4つ。なんでこんなに強いのか。

韓国では韓国ゴルフ協会KGAが育成からすべてを仕切っている。
小学校から高校までゴルフ部があり、プロを目指す選手は1日2000~3000球を打つ。そこから素質の素質ある選手が選抜されるのだ。
育成選手になると、KGAのプログラムに基づき体力、メンタル訓練、科学的なゴルフの基礎まで指導される。
年間150日間の強化訓練の中で実力が蓄積される。ただし年間約6000万ウォン(約420万円)の費用が掛かる。さらに12月から3月までは地面が凍結してプレーできない。
多くの選手が東南アジア、オセアニア、アメリカへ海外合宿やゴルフ留学をする。育成選手と言っても、費用は馬鹿にならない。
しかし親は子供に可能性があれば、それに賭ける。優秀なコーチにレッスンを受けられるならば家を売ってでもなどと、全財産を投げ出すことも厭わない。
米国での成功を目指して、父親は警察官の仕事をなげうって一家で渡米。試合の移動のためにレンタカーの運転手を務めたという話もある。そして成功した暁には、賞金は家族のために使われる。プロゴルフはファミリービジネスなのだ。

育成選手から代表選手に抜擢されると、優秀なコーチからプログラムに基づきレッスンを受ける。勿論、無料だ。
さらに国から色々な援助を受けて、ゴルフの特待生として大学進学まで約束される。国際大会に出場ができ豊富な国際経験も積める。
勿論ここで勝ち抜いてゆけば、将来プロゴルファーの道も見えてくる。先駆者パク・セリに始まりリ・チヒ、アン・ソンジュ、USでメジャー優勝のユ・スンヨン、シン・ジエらは艱難を突破した選手たちだ。
昨年4勝を上げ賞金女王になったアン・ソンジュは高校時代には代表選手。

「ジュニアの頃から生き残るために、自分は強くなるんだとひたすら練習。子供の頃に精神力を鍛えたことが今を支えている。技術力は日本人選手の方があるが、心の強さは韓国人選手の方が上だと思う」と言う。世界一になる夢に向かって眠る時間まで惜み、「やればできる!」という信念はどの国の人にも負けない。政府、企業、ゴルフ界、親の協力、選手の強い信念。韓国ではこの条件が見事に上手くかみ合っている。

日本も最近は高校の部活は増え、技術だけでなく精神面でのトレーニングも取り入れているところもある。
韓国並みに子供の時からトッププロを目指しゴルフ漬けはいかがかとも思う。紳士のスポーツと言う源泉をたどれば、今の韓国のやり方は邪道だろう。
しかし毎回毎回韓国人らの優勝はテレビや新聞で見るのも、何か屈辱的だ。プロなら何とかせい!と言いたくもなる。
勝利に対する意欲、執念が劣っている。ハングリー精神が欠如しているのだ。優勝して社会のために何かしたいという目標が必要だ。

下部ツアーを作り、そこから這い上がらせる制度も考えた方がいい。このままだと衰退一途になるだろう。

[ビハインド・ザ・ゲーム/スポーツライター・鳴門怜央]
《NewsCafeコラム》
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