キャプテン、五輪前の決意 | NewsCafe

キャプテン、五輪前の決意

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今年4月上旬に行われたキリンチャレンジ杯。見事に優勝を飾ったなでしこジャパンだったが、守備の要・岩清水梓の姿はなかった。
「自分のいない代表をテレビや新聞で見て、焦りしか感じなかった」
と、岩清水は当時を振り返る。右足首のケガで代表召集を辞退していた。

どうしても4月15日のなでしこリーグ開幕戦に万全な状態で臨みたかったというのだ。

所属の日テレ・ベレーザでは昨季からキャプテンを務めている。
ベレーザは日本女子代表結成と同じ1981年に創設され、リーグ優勝12回を誇る超名門チームである。常に優勝を期待されるチームにあって、キャプテンマークを巻くことがどれだけの重圧であるかは容易に想像できる。昨季、INAC神戸に澤や大野、近賀ら中心選手が移籍して、若手中心の戦力でシーズンを戦ったが、優勝を飾ることは叶わなかった。苦しいシーズンを終えて、OGでキャプテン経験のある加藤(旧姓:酒井)與惠に相談するなど、人知れず悩みを抱えていたという。

彼女もまだ25歳。他チームならば中堅世代だ。キャプテンとして1年を過ごし、「もっといろんな人の間に入らなきゃいけない」と、責任感を強くする。今季も24人中9人が10代の選手で構成され、センターバックでコンビを組む土光真代はまだ15歳である。
それでも、ベレーザはここまで無敗でわずか1失点、リーグ2位と上々のスタートを切っている。

「(6月10日に)INACとやるまでは負けられない。そこで勝って首位に立つと思っているので」と、あくまで目標は女王奪還だ。
さらに、ロンドン五輪のメンバー18人入りに向けても、危機感を募らせる。
「今まで入っていたからといって選ばれるわけではない。リーグで結果を出してこそ、また呼んでもらえるはず」と、自身のプレーにも磨きをかける。もともとボール奪取能力に優れている彼女だが、相手とボールの間に体を入れてボールを触らせない守備や、中盤の選手と連携して最終ラインまでボールを入れさせないディフェンスなどは、世界でもトップクラスであろう。

ロンドン五輪での活躍も期待したいが、まずはなでしこリーグでの戦いに注目したい。ベレーザは5月27日(日)に東京・西が丘で、浦和レッズレディースと対戦する。2位と3位の対戦で、両チームとも今季1失点に抑えているだけに白熱した戦いになることは必至だ。これまで、なでしこジャパンにしか興味のなかった方も、ぜひ足を運んでスタジアムで世界レベルのプレーを見届けてほしい。

キャプテン・岩清水梓のプレーは、なでしこジャパンとはまた違う。センターバックというポジションこそ変わらないが、次世代を担う選手たちとともに決意を持って戦う姿がそこにはあるのだ。

[女子サッカーライター・砂坂美紀/ツイッター http://twitter.com/sunasaka1]
《NewsCafeコラム》
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