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横浜ベイスターズの親会社となったDeNA。先ずはチーム名をモバゲーかどうかで問題になりDeNAで決まる。監督も工藤公康で100%決定かと思えば、土壇場で中畑清。「ゼッコウチョウ」男の登場となった。新監督はメディアには人気があるのか、それ以降オフはナカハタキヨシでもちきり。テレビに、ラジオに、イベントに。今年のベイはナカハタ一人で戦うのかと思わせるほどだ。

ベイの特長は、打てない・守れない・走れないのナイナイ尽くし。ケータイビジネスの雄、DeNAの登場となったが、その辺は十分承知の上の球団買収。しかし3年後リーグ優勝という目標の割には、補強が寂しい。チャンスに弱い村田を放出してラミレスを取ったのは上手かったが、後が続かない。特に初回失点が96点とダントツに立ち上がりが悪い投手陣。先発要員の補強が必要だ。結局巨人から人的補償で藤井を取り、後は戦力外のジオ、林ぐらい。多くは期待できないため、新素材の発見が必要となる。ただ投手力は投手だけの問題ではない。谷繁、相川、鶴岡というリーグを代表する捕手を放出。その中から鶴岡が戻ってくる。そのなかでも、インサイドワークの良い鶴岡が戻って来たのは大きい。打線も期待の筒香は好調だったが、アクシデントで故障。開幕直前でなければも戻れない。残る戦力は走塁だが、昨年の盗塁数は31。両リーグ通じて最低の数だ。総合力アップの道程は遠く厳しい。

弱体な組織を強い組織に変えていくのは、なかなか大変だ。何しろ4シーズン最下位。この10年、Aクラス入りは1回だ。中畑監督はことのほか、明るく振舞う。先ずは意識改革。負け癖がついているチームを、戦えるチームにするには先ず空気を変えること。前を向く意識を注入することが欠かせないのだろう。続いて競争意識。ラミレスの一塁を除いて、すべて競争だと言う。これまではポジションは固定相場制だったので、選手層を厚くしてゆくには必要なことだ。鶴岡はほぼ捕手の座を獲得しているが、あえて新人の高城を起用している。練習も横浜育ちの高木豊、デニー友利コーチが目を光らせている。自分たちの育った環境だけに、良いところも悪いところもすべてお見通しだから、選手は気が抜けないようだ。特に高木はアテネ五輪で中畑監督の時のコーチ。明るい監督の陰の部分を全うできるかどうか。

野村克也楽天名誉監督によれば、強いチームにするにはエースと4番が欠かせないという。彼らはすべての選手の鏡となる力があるからだ。4番ラミレスは期待できるとして、エースがいない。いつまでも三浦大輔や清水でなく、若い高崎、国吉、加賀あたりがお化けしないことには先行きは暗い。特に連敗ストッパーとしても絶対に欠かせない。高田GMのことだから投手力の補強を考えているだろう。しかし元気さと競争心だけで戦力がアップするものでもない。やはり弱者としての戦い方を、しっかり徹底させることだろう。とりわけ観察力、分析力、判断力、記憶力、決断力は見えない戦力として無形の力になると野村さんは力説する。IT先端企業のDeNAのテクノロジーを活用すれば大きな武器になる。これらを束ねて、後はリーダーのひらめきや勘の直観力だ。そこは長嶋さんの直弟子として中畑監督の力の見せ所だ。開幕と同時にキヨシ節が消えないことを祈りたい。

[ビハインド・ザ・ゲーム/スポーツライター・鳴門怜央]
《NewsCafeコラム》
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