自分たちのサッカーとは何か? | NewsCafe

自分たちのサッカーとは何か?

スポーツ ニュース
今から4年前。日本代表に初となるイタリア人指揮官が就任した。日本サッカーの未来を託されたのはイタリア・セリエAで数々の名門を率いたアルベルト・ザッケローニ。このイタリア人指揮官が掲げたのはシンプルで効率的な攻撃的サッカーだった。

中央に壁を作り意図的にサイドにボールを集めさせる。複数で相手を囲み、そこからのボール奪取でシンプルに縦にパスを入れる。言葉で言うのは簡単だがこのコンセプトを初の試合となった強豪アルゼンチン相手に実践し勝利という結果を残した。アジア杯優勝など就任から1年は驚異的ともいえる勝率を残し、これまでの日本になかった攻撃スタイルは遠くブラジルの地で躍動する日本代表の姿を夢見させてくれた。

そんな日本代表のブラジルでの道のりがクイアバで終結を迎えると予想した人はどれほどいるだろう。5大会連続5度目のW杯出場となった日本代表は「自分たちのサッカー」を見せることができずグループリーグ敗退となった。

では「自分たちのサッカー」とは具体的にどういう事なのだろう?大半のサポーターがこのフレーズに少なからず疑問を持っているはずだ。ここでは筆者なりに汲み取った「自分たちのサッカー」がブラジルの地で実践できていたかを振り返ってみたい。

まず、筆者が考える日本のスタイルは大きく分けて以下の3つである。

ディフェンスラインを高く保つ
攻守の切り替えの速さ
中盤でのポゼッションを高め主導権を握る

グループリーグ初戦となったコートジボワール戦。キックオフの瞬間からいつもの日本代表とは様子が違っていた。主導権を握るはずの第1ステップである前線からのプレスが皆無であった。W杯初戦の重圧なのかコートジボワールのスピードを恐れたのかは定かではないが、これでは主導権が握れるはずもない。また、本田の先制点がチームにとって逆に悪い方向に向いてしまった。

およそリードしているチームとは思えないほど浮き足立っており、最後まで修正することができず後半に逆転負けを喫してしまう。このゲームに限ればコートジボワールの両サイドがかなり高い位置をとっており、香川、岡崎が守備に回る時間が多かったことも日本の攻撃が活性化させなかった大きな要因のひとつだろう。

続くギリシャ戦。ザッケーローニ監督は調子の上がらない香川を先発から外すという"奇策"に打って出た。表上の理由は戦術面だが、直前のフロリダ合宿から明らかに精彩を欠く10番のスタメン落ちは少なからず驚きを与えた。この試合、コートジボワール戦の反省を活かしてか、選手には吹っ切れた印象を受けた。序盤の立ち上がりはいつも日本代表のそれであり、あとはギリシャを崩し勝つだけ。コートジボワール戦同様、後半40分過ぎからのパワープレイ"解禁"など日本中のサポーターが攻撃陣への奮起を期待したが最後までゴールを割ることができなかった。

第3戦の相手は南米の強豪コロンビア。絶対的エースのファルカオが欠場するもその攻撃力は驚異であった。攻撃陣にばかり注目が行くコロンビアだが南米予選で最少失点と非常に守備がしっかりとしたチームでもある。すでにグループリーグ突破を決めていたコロンビアはコートジボワール戦から8人もの選手を交代し日本戦に挑んできた。周知の通り最終的には1-4のスコアで大敗。日本代表のW杯は幕を閉じた。

この試合に関して言えば今回のW杯で日本の良さが最も出た1戦だろう。前半の今野のファウルでPKを与えてしまい失点を許すが、前半終了間際に本田からのクロスを岡崎が頭で合わせて同点に。自分たちが4年間追求した攻撃サッカーの片鱗を見せつけることはできた。後半の失点に関しては今大会でスターへの階段を上りつつあるハメス・ロドリゲスを褒めるしかない。単純にコロンビアの実力が日本代表を大きく上回っていた。結果的に4年間追求した攻撃サッカーが全く通用しなかったことになる。

では「自分たちのサッカー」ができていたかというと、批判は承知の上で「できていなかった」と答える。この4年間の戦いぶりから日本がグループリーグで敗退するチームにはどうしても思えないのだ。「単純に弱いから」、「親善試合と本大会は違う」、「これが実力」。そう言われてしまえば、その意見も正しいと思う。結果が全ての世界であることは百も承知だが、どれだけ考えても日本が弱いとは思えない。

さかのぼること4年前、岡田監督に率いられた当時の日本代表は、直前の親善試合での不振ぶりを受けて急激な方向転換を行った。主力の中村俊輔をスタメンから外し守備に重点を置く本来の岡田監督の理想からはかけ離れたサッカーだった。結果的にベスト16に進出することができたが未来につながるサッカーだったとは言いにくい。

サッカー界の戦術はその時代のトレンドによって大きく変わる。現代サッカーの主流となっているのはFCバルセロナやスペインに代表されるポゼッションサッカーだ(今回のスペインの大敗でトレンドが変わる可能性大)。日本代表は南アフリカでの守備的サッカーから一転して攻撃サッカーの道を歩むことになるが、今回の結果だけで方向転換することだけは辞めてほしい。日本がW杯で優勝できるチームになるには確固たるスタイルが必要だからだ。ザッケーローニ監督が根付かせたスタイルを絶やさないよう、今後の監督人事を含めサッカー協会には尽力してもらいたい。すでに戦いは18年のロシア大会へ向けて始まっている。今度こそ躍動する日本代表の姿を期待したい。

執筆者:松岡 慶
《NewsCafeコラム》

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