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「職場での心のケアー」が義務化

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厚生労働省は、国民の生命・安全・労働に関わる様々なセーフティーネットワークを国民目線で構築・推進・点検してゆくと言う極めて重要な役割を持った役所である。本来ならば国民との距離感が最も近いはず。しかし実態は「年金問題・薬害問題・若者の雇用問題・健康保険の財源問題」など問題やまずみ・対応不全省の観がある。

そんな中でのささやかな快挙が『事業者に対し医師などによる従業員のメンタルヘルス(心の健康)チェックを義務付ける労働安全衛生法の改正案要綱』を決定したことだ。

改正案は臨時国会に提出され、来年秋にも施行される見込みだ。きっかけは、東日本大震災を契機にメンタルヘルス不調に陥る人の増加が懸念され、予防対策を充実させる必要性といった点だが 仕事上のストレスが原因でうつ病などになる人が激増していることから、改正案は「全従業員の精神状態の把握を事業者に義務化。検査結果は医師や保健師から従業員へ直接通知し、本人の同意を得ずに事業者に提供することを禁じる」としている。

従業員は希望すれば医師の面接指導を受けられ、事業者は面接指導を申し出た従業員に対し不利益な扱いをしてはならず、医師の意見を聞いた上で、必要であれば勤務時間の短縮や職場の配置転換などの改善策取ることを求められる。この改正案には、職場の全面禁煙か空間分煙を事業者に義務付ける受動喫煙防止対策も盛り込まれている。

ここ10年余り「職場での精神的な病気=うつ病」が大きな問題になっている。
うつ病は、メランコリー型うつ病とも呼ばれる定形型うつ=気分の落ち込み、意欲や食欲や集中力の低下、不眠などがおもな症状で、何があっても元気が出ないが、タ方になると調子が良くなり、過食や過眠になる等の傾向もみられる状態と神経症性うつ病とも呼ばれる非定形型うつ=何か楽しいこと、望ましいことがあると気分がよくなり、出来事に反応して気分が明るくなるのが特徴の2つに大別される。
最近20~30才代に増えているのが非定形型タイプで、とくに20~30代女性のうつの場合80%が非定形型うつ病と言われている。

若い男性にも起こるが、女性が男性の3~5倍と見積もられている。識者は『女性の比率が高い職場、過度の成果主義の職場に「非定形型うつ病」が多いとの報告もあり、若いがんばり屋の女性の多いネット系企業」などが気になる所であると言う。

この種の病気は個人差が大きく、専門家は一般的には、定型うつ病は、きちょうめんでまじめ・完壁主義者ほどなりやすい傾向があると述べる。非定形うつ病は、他人からどう見られるかを気にし、他人の顔色をうかがう性格の人」が罹る傾向がみられる。相手の言うことを尊重し従うため、小さいときから「いい子」と言われていた人が多いのも特徴だ。うつ病は早期の自覚が大切である。「自分だけは大丈夫」と思い込まず、疲れが続いたら一度診断を──。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》
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