「クルーズ」見聞録~後半~ | NewsCafe

「クルーズ」見聞録~後半~

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前回に引き続き、今週のコラムはバカンスで訪れたハワイでのクルーズについて。

同行のベテラン添乗員に仕事について何点か尋ねてみたところ、下記の答えが返ってきた。


クルーズの添乗はお客様と1週間以上を同じ船に乗りお世話すると言う特殊な仕事。
日本のクルーズの第一のピークは2007年まで。2008年のリーマンショックで低迷し、現在は「若返った第2世代のお客様」で盛り返し中です。
今年は、福島原発事故騒ぎで日本寄航を予定していたクイーンエリザベスなどのクルーズ船が軒並み日本寄航を中止したので…。来年には日本寄航が再開され、多くのクルーズ船が来るので期待しています。
旅行の醍醐味は「異体験の感動」だと言われていますが、クルーズは「異文化交流・異生活の体験」。若い人に是非経験して欲しいと考えております。

クルーズと言うと、高いイメージがあると思いますが今や大衆化の時代。世界には30席余りの大型クルーズ船があり15万トン以上の超大型船もございます。クルーズの料金は「大型船だから高い」のではなく「お客様の数とお世話する船員・スタッフの数」で決まります。

世界1週クルーズで100日余りを旅するのは20%程度。大部分のお客さまは、「自分の都合の良いところでの途中乗船・途中下船です。エーゲ海クルーズ・カリブ海クルーズ・アジアクルーズは10万円台の商品もある。若い女性にチャレンジして欲しいと考えております。


この船で3番目に偉いのが「船は動かさないが2000人の乗客の責任を持つホテルマネージャー」。この世界には珍しい日本人だ。
アメリカ船籍の船なので風紀は厳しく、禁酒は当然として船内恋愛も厳禁だとか。見つかれば即下船だというルールもこっそり教えてくれた。

一番大変なのは?と尋ねると、「下船するお客様の4000個のトランクを2時間で降ろし、1時間で客室を奇麗にし、2時間で新たに乗るお客様のトランクを各部屋に入れる事」。幸い殆どミスがないそうで、1週間ごとに"新しい町"が出来るのだという。
クルーズ中のお客様の死亡や怪我、夫婦喧嘩や離婚騒ぎは避けられない。全てがホテルマネージャーの対応事項になる。
概ね1日15時間勤務である」と言う。クルーズ船の裏側は大変…と感心。最近では「10年勤続で10日の休み+10万円とか2年に1度2週間の特別休暇」などの企業も増えている。

毎日頑張る方々、人生で是非一度はクルーズ体験を──。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》
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