街中対策を考えてみましょう。
秋葉原事件を防ぐ一つの方法として、やはり、舞台を取り除いたのです。
その舞台は歩行者天国です。
しかし、街中の無差別殺傷事件は、歩行者天国でなくても起きています。
商店街など人が集まる場所が舞台になっているからです。
では、商店街を取り除くことができるのかといえば、無理なことです。
そこで監視カメラという選択もあります。
たしかに、最近では、監視カメラが多くなっています。
もちろん、監視カメラは、そこに事件の様相が写っていた時に、犯人を特定するのに役に立ちます。
しかし、事件が起きないようにすることはできません。
確信犯であったり、「死刑になりたい」と思って事件を起こす犯人には効果がありません。
私たちができることを考えるとき、「事前に危険を予測したり、危険を感じたときにどうするのか」と、「危険な目にあった時にどうするのか」、「危険な目にあったときの後遺症」などを学ぶことではないでしょうか。
池田小は事件後、「安全科」をもうけました。
世界保健機関(WHO)から、「インターナショナル・セーフ・スクール」に認められました。
事件対策を学ぶことは、自然災害を学ぶことにもつながります。
もちろん、事件は人が起こすものですから、厳密に考えれば、自然災害とは違います。
事件だとしても、または自然災害であっても、個別の事情によって影響は違ってきます。
しかし、大枠としては、その後の対策、心理的な影響などを知っておくことで、心構えができる部分があると思います。
もちろん、事件や災害の現場を目撃した人、当事者、遺族といった立場によっても異なることがあります。
それらを含めたあらゆる想定を学校や地域、あるいは、インターネットでの情報を通じて、学んでいくことが重要になると思っています。(終わり)
《NewsCafeコラム》
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