<法曹界のジェンダーギャップの実態調査>~女性弁護士の約8割が法曹界でジェンダーギャップを実感~ - PR TIMES|NewsCafe

<法曹界のジェンダーギャップの実態調査>~女性弁護士の約8割が法曹界でジェンダーギャップを実感~

 女性初の裁判官・三淵嘉子さんがモデルとなったドラマが始まり、1カ月がたちました。男女不平等があたり前だった時代に、主人公が仲間の女性たちと共に法律を学び成長する姿が描かれており、弁護士界でも話題になっています。  弁護士ドットコム株式会社(東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO 元榮 太一郎)では、ドラマにちなんで、現在の法曹界の性別による格差(ジェンダーギャップ)について調査を実施しました。2024年には女性弁護士の割合が初めて20%を超え、男女共同参画は進んできましたが、弁護士の約6割がいまだ性別による格差を実感していることが分かりました。さらに、男女別でみると約8割の女性がジェンダーギャップを感じていることが明らかになりました。


■ 調査概要
調査機関:弁護士ドットコム株式会社プロフェッショナルテック総研
調査方法:弁護士ドットコム(R)弁護士会員を対象にアンケートを実施
調査対象:弁護士ドットコム(R)の弁護士会員400名(男性258名、女性141名、その他1名)
調査期間:2024年4月21日~4月25日

■ 結果サマリ

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URL:
https://www.bengo4.com/c_18/n_17521/

■ 約6割が法曹界で性別による格差を実感、女性弁護士では約8割
 法曹界で性別による格差(ジェンダーギャップ)を感じることはあるかを尋ねたところ、「よくある」が18.8%、「ときどきある」が38.0%と約6割が格差を実感していることがわかりました。一方、「あまりない」「全くない」は29.3%と3割未満にとどまりました。
 男女別で見ると、「よくある」「ときどきある」と回答した男性が45.4%に対し、女性が78.0%と1.7倍にに上りました。女性の意見からは「男性高齢弁護士から『女は怒るべきではない』と言われた」「飲み会の際、何気なくお酌担当にされる」など旧態依然とした実情も見えてきます。

 一方で、男性からは「社外取締役の需要が増えており、女性だから採用される場面も多い」「(司法試験の合格者比率は7:3なのに)検察官の説明会で50%女性登用を目指すと機会の平等という意識の欠如にドン引きした」など、女性登用推進の動きが過度だと感じている意見もありました。
■ 『同業者関係』と『報酬』における格差が男女間で20ポイント超
 法曹界でジェンダーギャップを感じる人に、実際に格差を感じる場面を尋ねたところ、「依頼者との関係」が61.7%と最も多く、女性弁護士と男性弁護士で依頼者の態度が違うなど、一般の人からはいまだ弁護士=男性と捉えられている実態が見えてきます。

 次いで、「生活面(育児・介護など)や体力面に関すること」が59.5%、「採用・就職時の扱い」が40.1%、「弁護団や弁護士仲間など同業者との関係」が33.0%などとなりました。

 「依頼者は男性の方が威厳があるように捉える」「産後の復帰予定を伝えたら男性弁護士から『0歳から保育園に入れるなんて可哀そうだね』と言われた」「『女性は出産や育児で辞めるから採用したくない』と何度も言われた」「働きながら育児は難しい。解雇された友人もいた」など複数の女性弁護士の経験談からは、悔しい思いが浮かんできます。

 男女別で最も差が大きかったのは、「弁護団や弁護士仲間など同業者との関係」。男性が21.4%に対して女性が45.5%と24.1ポイントの開きがありました。次いで、差が大きかったのは、「報酬・給与面に関すること」。男性が11.1%に対して、女性が32.7%で、こちらも21.6ポイントの差が見えました。

 女性からは「子どもの急病により委員から外された」「(報酬の高い)企業との顧問契約が結びにくい」「若いと中小企業の代表者からからナメられる」などの声が複数あがっています。一方で、男性からは弁護士同士の話や報酬について、ジェンダーギャップを理由にした不満の声は少なく、男女で認識の差があるようです。

 男女差が大きくなかったものとして、採用については、男性からもギャップによる不利益を訴える声がありました。特に「検察官採用は明らかに女性が優遇されていた」「クオーター制度として女性会員を役職に就ける」などで、女性登用が数字ありきになっているとして、抵抗感を示す声も上がっています。

■ エピソード「女性の意見が必要などと委員会に引っ張りこまれる」「女性は出産や育児で辞めるから採用したくないと言われた」
 自由回答で、ジェンダーギャップを感じた具体的な場面について聞きました。以下のようなものです。

「依頼者や相手方から若い女の子なのに偉いねと言われる(1年目)、弁護士の先輩からいくつ?彼氏いる?などと聞かれる」(女性)

「男性依頼者がストーカー化しないよう無駄に気を遣う、女性の意見が必要などと委員会に引っ張りこまれる、など、いっぱいあります」(女性)

「女性だからこそ需要のある部分ももちろんあると思いますが、依頼者の方によって、女性を軽く見ているのかなという言動がみられることはよくあります」(女性)

「同様の実績がある男性弁護士と比較して、顧問契約の獲得までのハードルが高いと感じています。社外役員の選考では女性であることが有利に扱われていると感じますが、反面、女性であること以外に期待されていないような虚しさもあります」(女性)

「裁判官(相手方代理人)は女性だからハズレた、女性には大局観がないなどの発言が常にある」(女性)

「裁判官に任官したが、その際、男性と同じ成績だったら間違いなく男性をとる、と明確に民裁教官に言われた。弁護士になって、相手方の代理人であるベテラン弁護士(男性)から『この女弁護士が!』と言われた」(女性)

「常日頃から上司が会議で『女性弁護士は力仕事(破産管財人を含む荒っぽい交渉)ではなく、銃後の守りをすべきだ』と繰り返していました」(女性)

◆弁護士ドットコム株式会社について:https://www.bengo4.com/corporate/
本社:東京都港区六本木四丁目1番4号 黒崎ビル
設立日:2005年7月4日
資本金:463百万円(2023年12月末現在)
代表者:代表取締役社長 兼 CEO 元榮 太一郎
上場市場:東京証券取引所グロース市場
事業内容:「プロフェッショナル・テックで、次の常識をつくる。」をミッションとして、人々と専門家をつなぐポータルサイト「弁護士ドットコム(R)️」「税理士ドットコム(R)️」「BUSINESS LAWYERS(R)️」、契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン(R)️」を提供

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