【推し俳優で巡る名作3選】中島歩「ふてほど」クセ強キャラ・カンヌ選出作の怪演…ブレイク中の今こそ観たい3作
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【写真】「Tシャツが乾くまで」話題俳優、ブレイクきっかけとなった昭和の教師役
◆「À Table!」シリーズ(2023、2024年/BS松竹東急)
市川実日子が主演を務め、中島が夫・藤田ヨシヲ役で出演したフードドラマ。2023年に放送された1作目「À Table!~歴史のレシピを作ってたべる~」では、歴史料理研究家のレシピをもとに、歴史上の人物が食していた料理を再現。翌2024年に放送されたシーズン2「À Table!~ノスタルジックな休日~」では、ジュン(市川)とヨシヲ夫婦が東京の懐かしい場所を訪れ、季節の料理や歴史あるレシピを通して穏やかな休日を重ねていく。
中島が演じるヨシヲは、マイペースで少し天然、けれど妻を急かさず、日常を一緒に味わえる人物。派手な感情表現ではなく、相づちの間や何気ない視線、肩の力が抜けた声のトーンで、夫婦の空気を自然に成立させている。中島の品のある佇まいと絶妙な脱力感が、作品全体のチルなムードと重なり、観ている側の呼吸までゆっくり整えてくれるような作品だ。
◆「ルノワール」(2025年)
早川千絵監督による映画「ルノワール」は、1980年代後半の日本を舞台に、夏休みを迎えた少女・フキが、風変わりな大人たちとの出会いを通して世界の不確かさに触れていく物語。オーディションで抜擢された11歳(撮影当時)の鈴木唯が主演を務め、石田ひかり、リリー・フランキー、河合優実、坂東龍汰らが出演。第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された。
中島が演じたのは、物語に独特の影を落とす“怪しげな男”御前崎。穏やかそうに見えるのに、どこか掴みきれない。優しさなのか危うさなのか判断できない曖昧さを、表情の余白や距離感で漂わせる。中島の芝居には、説明しすぎないからこそ目が離せなくなる引力がある。爽やかなビジュアルの奥に、言葉にならない不穏さを潜ませる怪演が光る。
◆「不適切にもほどがある!」(2024年/TBS)
宮藤官九郎が脚本を手掛け、阿部サダヲが主演を務めたタイムスリップコメディ。1986年から2024年へタイムスリップした昭和の体育教師・小川市郎(阿部)が、令和の価値観とぶつかりながら、現代社会の違和感をコミカルに浮かび上がらせていく。中島は、1986年の市郎の同僚教師・安森役を演じた。
安森は、昭和ならではの大雑把さやズレた言動をまといながら、どこか憎めない存在感を残すキャラクター。中島のスマートなビジュアルと、クドカンワールド特有のシュールなテンポとのギャップが抜群で、真面目な顔で放たれる言葉ほどじわじわ笑いを誘う。端正さを崩さずに“変な人”として成立させるバランス感覚に、中島のコメディセンスと振り幅が詰まっている。中島の名をより広く知らしめるきっかけの1つとなった作品としても、改めて観返したい1作だ。
作品ごとにまったく違う温度をまといながら、どの役にも静かな説得力を宿す中島。声、視線、佇まいのわずかな変化で人物の奥行きを見せるその芝居は、知れば知るほど深く引き込まれる。いよいよ最終回を迎える「Tシャツが乾くまで」でも、彼がどんな余韻を残すのか注目したい。(modelpress編集部)
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