2026年公開予定の映画『しびれ』で主演を務める北村匠海。同作は『第76回ベルリン映画祭』パノラマ部門に正式出品されることが決定するなど、注目の集まる意欲作となっている。本記事では、俳優として飛躍を続ける北村の2025年の活躍を振り返ると共に、同作の見どころも紹介したい。
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今年の北村は、数々のドラマや映画に出演し、演技の幅をこれまで以上に大きく広げてきた。NHK連続テレビ小説『あんぱん』では、ヒロイン・のぶ(今田美桜)の夫となる柳井嵩を演じ、繊細な心を抱えるキャラクターを絶妙なバランスの芝居で体現。また、映画『悪い夏』では、真面目に生きるも気弱な性格ゆえに犯罪に巻き込まれてゆく公務員、『愚か者の身分』では、闇ビジネスの世界で運命に翻弄されながらも生き抜こうともがき続ける若者を演じるなど、ハードな題材の難役にも果敢に挑んだ。
若手の実力派として存在感を増し続ける北村のさらなる注目作となりそうなのが、来年公開予定の主演映画『しびれ』だ。同作は、2020年に制作されたインデペンデント映画『佐々木、イン、マイマイン』で話題となり、「第25回新藤兼人賞」銀賞を受賞した内山拓也監督が、自身の故郷である新潟県を舞台に、自伝的な要素を深く刻み込んだ痛切な母子の物語。居場所とアイデンティティを模索する少年が、息をのむような大きな愛を知るまでの年月が、憎くて愛しい母親との関係性の変遷を通して描かれる。
北村が演じるのは、暴君のようだった父の影響で言葉を発しなくなり、母からもネグレクトを繰り返された過去を持つ主人公・大地。北村は自身のInstagramの投稿の中で、『しびれ』を“内山監督と抱きしめ合いながら作った映画”と表現し、「僕の現時点での表現の全てを叩き込みました。一度きりしか使えないカードを切った気分です」と作品への熱意を語っている。監督の思いを背負った北村が、今作でどのような迫真の演技を見せているのか、今から期待が膨らむ。
2025年は『あんぱん』をはじめ多数の作品に出演し、もっとも勢いのある俳優の1人として大きく飛躍した北村。来年は『しびれ』のほか、2月6日公開の映画『ほどなく、お別れです』への出演も決定しており、その活躍から目が離せない。




