二宮和也、“異変がないシーン”に苦戦 却下されたアイデアも明かす「絶対だめですって」【「8番出口」インタビュー】 | NewsCafe

二宮和也、“異変がないシーン”に苦戦 却下されたアイデアも明かす「絶対だめですって」【「8番出口」インタビュー】

芸能 モデルプレス/ent/wide/show3
二宮和也(提供写真)
【モデルプレス=2025/07/04】映画『8番出口』(8月29日公開)で主演を務める二宮和也(42)にモデルプレスらがインタビュー。【Vol.3】では、撮影で大変だったことや、カンヌ国際映画祭で本作が上映された時の心境を明かした。

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◆二宮和也主演『8番出口』

2023年にインディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATE氏が制作したゲーム『8番出口』を実写映画化。無限にループする地下通路を舞台に、プレイヤーが次々と現れる不可解な異変を見つけ“8番出口”を目指す姿を描く。『告白』(2010年)、『怪物』(2023年)などを製作した川村元気氏が監督・脚本を務める。

◆二宮和也、大変だったシーンは「“異変”がない周回」

― 撮影中大変だったことはありますか?

二宮:全部大変でしたけどね(笑)。CGを使っているところと使っていないところがあるのですが、使っていないところの展開の方が大変だったかなと思います。“異変”に気がついて、めちゃくちゃ早く(元の場所に)戻って来ると、看板の付け替えが終わってないとか(笑)。非常口の表示も全部逆にしているので、スタッフと鉢合わせするとなると、どこかで芝居を作って(準備が)終わるまで間を繋ぐ必要がありました。観ている人たちが「早く逃げて逃げて!」と思えるような展開をこっちで作っていくのが、間繋ぎに見えなければいいなと思ってやっていました。あと、“異変”がない周回は大変でした。何も起きないので「暇だな」みたいな(笑)。でも、そこの“もたり具合”もないとずっと“異変”ばかり起きる映画になってしまうので、そこの周回でより怖くさせて、ストレスを与えてくれる作品にするのが大変でした。

― 撮影は順撮りではなかったのでしょうか?

二宮:順撮りではないです。それこそ(浅沼)成が動かない時は「違う周やろうか」とか。ただ、全部モノも画もあるので、今日何周撮ろうが別にどれでもいいんです。今回は「この“異変”撮ります」となった時に、自分たちが“異変”のお題をもらって歩きを作って、監督に観てもらって撮っていく形でした。中盤あたりからはリテイクなのか、最初から撮っているのか分からず、みんなで右往左往しているというのはありました。かつ、前半戦は僕1人なので、リテイクが起きた時はみんな分からなくて他の登場人物が出てくると嬉しいみたいな(笑)。そういうのは変化として受け取れたので、ちゃんと考えてスケジュールを設定してくださったのか分からないのですが、いいスパイスにはなっていましたね。

◆二宮和也、地下鉄の印象明かす「ワクワクする」

― 二宮さんは、普段地下鉄を利用することはありますか?また、映画を撮影されてから地下通路の印象に変化はありましたか?

宮:僕は(地下鉄を)使うことはあります。舞台とか演劇を観に行く時に駅に直結している劇場も多くなってきたし、なにより時間に正確なので、使うことは多いですね。ずっと行っていたのに急に改修されて様変わりしているとシンプルに迷ってしまうので、それはこの作品と共通しているものはすごくあるし、どこへ行っても同じというのもあるし、“異変”っぽい出口もあるし、面白いなと思って観ています。僕も若い時は自分1人で現場に行っていたので、最初はすごく迷いました。霞ヶ関駅の千代田線から日比谷線に乗り換えるだけでも「どういうことだ?」みたいな。どんどん線も増えてくると出口も増えてくるし。何十センチくらいの差で(地下鉄の)穴が通ってると考えると東京は穴だらけなんじゃないかと思ったり、大江戸線どこまで下がっていくんだ?と考えたり。初めてそこに入っていくということはワクワクするし、未だに変わっていない駅を見ると自分が小さい頃の時を思い出すし、そこから出ていくと街が変わっていてエモくなるし。僕はバスとかも使うので、移動手段の1つとしてもそうですけど、作品を撮ってからはそういう見方が増えたというか、これ(地下通路)を作った人はすごいなと思います。

◆二宮和也、カンヌでの反響回顧「感極まっていたと思います」

― カンヌ国際映画祭でも本作が上映されましたが、二宮さんが現場で感じた印象と、映画の手応えを教えてください。

二宮:結構なスタッフの人数で行けたので、スタッフの方々が喜んでいる姿を観て手応えはあったのかなと感じました。かなりシビアな見本市ではあるので、トラウマにならなくて良かったなって(笑)。もう行きたくないってならなくて良かったなと思いました。全世界から映画が集まっていて、日本他作品も来ている中で、自分たちの特色があるものを分かっていただけたのかなという印象でした。

― 拍手も大きかったようですね。

二宮:そうですね。でも、僕もトム・クルーズと一緒に観ていたら拍手すると思います!8分くらいは余裕で(笑)。作品に出ている人と一緒に観るということは、その空間にいる人は思い出になるのかなと思いました。拍手をいただけて安心しました。

― 二宮さんは感極まって涙が浮かんでいるようにも見えました。

二宮:すごく感動しましたね。感極まっていると思います。カンヌがどうこうということよりも、自分たちが関わる作品が一定の評価を得たということでは感極まっていたと思います。あと、しこたま眠かったです(笑)。深夜でした。あれは驚きましたね(笑)。本編が始まってしまうと「直せるところはないのか」という視点で観てしまうのですが、ちゃんと感情が動くところは何回観ても動くし「これは届いているな」と思えたので、評判よりも映画の本質で感動できたというのが大きかったですね。カンヌへ行くことにあたって、日本の作品が海外に届いているんだなと感じることが多かったし、(現地の人から)「『浅田家!』(2020年)観ました」と言ってもらえて「なんで観に行ったの?」という話を聞いたのも印象的でした。みんな映画が好きなんだなと思いましたね。ちゃんとドレスコードを持って気分を上げてそういう場に行くんだという一連の流れや、作品に対しても敬愛していただけていることを感じたので、そういう経験をさせてもらえて嬉しかったです。またベルリン(国際映画祭/映画「硫黄島からの手紙」で2007年に出席)の時とは違う感覚がありました。

― ベルリン国際映画祭の時とは何が違うと感じましたか?

二宮:ベルリンの時はドラマを撮影していたこともありバタバタしていて、空港から車に乗って10分後ぐらいのところで「ここで着替えます」と言われて、雪の中道路で着替えて。カンヌは個別の取材もあったのですが、ベルリンの時よりはゆったりできたし、日本の方もいてリリー・フランキーさんにも観ていただけて「すごく良かった」と言ってくださって「日本の人たち優しいな」って(笑)。すごくいい印象でしたね。

◆二宮和也、却下されたアイデアとは「それは絶対だめですって言われて(笑)」

― カンヌ国際映画祭での取材会について、ご自身のX(旧Twitter)で「興味深い質問ばかり」と仰っていましたが、印象に残っている質問はありますか?

二宮:「物語のない原作をどう物語にしたのか」という質問や、監督が1番驚いていたのは「主観から客観に切り替えるタイミングがなぜあそこだったのか」とかですね。あとは「カンヌを狙っている組がこんなペースで編集しているはずがない」っていう(笑)。そんな事分かるんだ!って(笑)。「呼ばれてよかったね」ってことを言ってくれました。まだグリーンバックの状態で、テロップで(カンヌ国際映画祭に)送っていたのでおっしゃる通りだなとは思ったのですが…(笑)。(カンヌ国際映画祭では)監督も同席していて、自分が単独でやらせてもらう取材会とは違う話だったなという感じはありましたし、すごく新鮮でしたね。

― 実際に編集された映画を観てから何か意見はされましたか?

二宮:僕はカンヌへ行くということは考えていなかったので、急激に納期を早めなきゃいけなくなったっていう(笑)。自分たちの1番いいペースでやっていたら、カンヌが決まっちゃって。でも、僕が(映画を)観たのがカンヌへ行く1ヶ月~半月前くらいだったので、その中でも直せそうなものは言っていましたね。最初「東宝のマークをいじりたい」って言ったら「それは絶対だめです」って言われて(笑)。カンヌに間に合う用と公開日に間に合う用とで相談はしていました。

― 貴重なお話、ありがとうございました。

(modelpress編集部)

◆二宮和也プロフィール

1983年6月17日生まれ、東京都出身。1999年、嵐としてCDデビュー。俳優としても高い評価を受けており、2006年に映画『硫黄島からの手紙』でハリウッドデビュー。映画『母と暮せば』(2015年)で『第39回 日本アカデミー賞』最優秀主演男優賞を、映画『TANG タング』『ラーゲリより愛を込めて』(ともに2022年)で『第65回ブルーリボン賞』主演男優賞を受賞した。近年の主な出演作は、ドラマ『マイファミリー』(2022年/TBS系)、『VIVANT』(2023年/TBS系)、『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』(2023年/フジテレビ系)、『ブラックペアン シーズン2』(2024年7月期/TBS系)、映画『浅田家!』(2020年)、『アナログ』(2023年)、『【推しの子】-The Final Act-』(2024年)など。

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