6月15日をもってAKB48を卒業することを発表している村山彩希。5月6日に東京ガーデンシアターで開催された卒業コンサートは、“シアターの女神”とも呼ばれる彼女の軌跡を象徴するような内容となった。そこで本記事では村山のアイドル人生に焦点を当て、その功績に触れながら、彼女がAKB48に残したものについて考えてみたい。
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2011年に行われたAKB48第13期生オーディションで合格し、AKB48のメンバーとして活動開始した村山。彼女がグループの中で存在感を放ってきた理由は、やはり劇場公演に対するひたむきな姿勢にあると言えそうだ。2020年にはAKB48劇場史上初となる出演回数1000回を達成すると、その後も劇場に立ち続け、歴代最多記録を更新し続けた。また、2017年には「レッツゴー研究生!」公演、2024年には「今日は誰に恋をする?」公演をプロデュースするなど、メンバーのステージを作り上げるプロデューサーとしての手腕も発揮。彼女の活動の主軸には、常に“劇場”が据えられていた。
そんな村山がAKB48からの卒業を決めたきっかけについては、今年1月に放送されたTOKYO FM『TOKYO SPEAKEASY』で語られている。村山は、「AKBはすごい大好きだし、後輩のことがすごく大好きなんですよ。でも、自分が14年目になってきて、1番上の先輩になってきた時にどうしても見せていく背中が変わり映えしなくなってきた」「新しい知恵とかをあげれてないなっていうことに気づいて、自分ももっと新しく吸収しないといけないなって思った」と明かし、「達成感をちゃんと感じれた時に辞めたいなっていうので、アルバムセンターやって、新劇場新公演終わってっていうタイミングで決めました」とコメント。卒業の決意を固めた背景には、自身の現状に対する内省と“新しい道に進みたい”という思いがあったのだろう。
5月6日に行われた村山の卒業コンサートは昼夜の2部制で行われた。『~劇場が教えてくれたもの~』と題した昼の部は、村山自身が想いを込めて選んだ劇場公演曲が並ぶ“劇場への愛”が詰まった特別なステージ、愛称の「ゆいりんご」にちなんだ『~りんごの花が咲く頃に~』というタイトルの夜の部は、約14年のアイドル人生での成長と輝きを感じられる集大成のステージ。来場者からは、「想いが詰まったセトリ、最高だった!」「ゆいりーの存在の大きさを改めて感じる本当に素晴らし過ぎる卒コン」「泣くほどよかった」「卒コンであんなに号泣したの初めて」といった声があがっており、多くのファンが彼女の勇姿を目に焼きつけたことがうかがえる。
村山が28歳の誕生日を迎える6月15日、AKB48劇場での卒業公演が、彼女のアイドル人生の最後の舞台となる。劇場へのあふれる愛を胸にファンを魅了し続けた村山の存在は、卒業後も多くの後輩メンバーの指針となることだろう。