瀧内公美「大奥」Season2「感情移入しすぎて涙が止まらなくなってしまった」阿部正弘役への思い語る | NewsCafe

瀧内公美「大奥」Season2「感情移入しすぎて涙が止まらなくなってしまった」阿部正弘役への思い語る

社会 ニュース
瀧内公美、古川雄大(C)NHK
【モデルプレス=2023/11/14】女優の瀧内公美が、14日に放送されたNHKドラマ10「大奥」Season2(総合・BS4K、毎週火曜よる10時~)の17話を終え、コメントを寄せた。

【写真】阿部正勝の子孫・阿部正弘を熱演した瀧内公美

◆ドラマ10「大奥」Season2

3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いてセンセーションを巻き起こした、よしながふみ作「大奥」。ジェンダー、権力、病など、現代社会が直面する課題を大胆な世界観で鮮やかに描いたこの傑作コミックを原作に、NHKでは3代将軍・家光から8代将軍・徳川吉宗までの物語をドラマ化し、ドラマ10にて2023年の1月期にて放送した。

Season2では、吉宗の遺志を継いだ蘭方医たちが、男性だけに感染する謎の疫病「赤面疱瘡」の撲滅に立ち向かう姿とその後の物語を描く「医療編」、女将軍をはじめとした幕府の人々が“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を描く「幕末編」の2部構成でお届けする。

◆瀧内公美、阿部正弘役への思い語る

瀧内は、徳川家康に影武者として仕えた阿部正勝の子孫・阿部正弘役。男性が再び要職に就くようになった世の中で、腰の重い兄・正寧に代わり家督を継ぐ。徳川への忠義を果たすことを胸に家定を献身的にサポートする。家定の幾度とない呼び付けに最初は困惑するが、その真相を知り、気高く見えた将軍の境遇に心を砕く。家定からの信頼も厚く、寺社奉行から老中へと出世を果たしていくという役どころを演じた。

― 阿部正弘をどのような人物と捉えて演じられましたか。

原作では、とてもおっとりしていて、甘いものが好きで、いつも走り回っていて、周囲の人の力を借りて政を動かしていく人物として描かれていて。機転も利きますし頭もきれる、なによりも人から嫌われないキャラクターだなと思いました。

演じる上では、原作で描かれていた正弘の柔らかさを取り入れつつも、若くして亡くなる人物でもあるので、物語の始めの方はすごくファニーに演じました。キョロキョロしながらあっち行ったりこっち行ったり、その瞬間を一生懸命生きているという感覚を大切に演じました。

― 正弘にとって、家定はどのような存在だったと思われますか。

家定との場面で特に印象に残っているシーンやセリフはございますか。16話の家定様の「そなたが自在に宙を飛ぶためにここに座っておるのだ、私は」というセリフが印象に残っています。正弘が生きた時代は色々なことが起こりすぎて、政をどう動かしていけば良いか、様々な意見の狭間にゆれながら日々決断を下していたんだと思うんです。

そして、結果的に正弘は、政に関してやりたい様にやらせてもらえたと思うんです。それは家定様がいたからこそ、家定様からの信頼があったからこそできたことで、セリフでもありましたが、家定様に正弘は生かしてもらっていたのだなと思います。

― 家定役・愛希れいかさんとご一緒されていかがでしたか。

愛希さんはとっても明るくて、柔らかくて。そこに居るだけで光を放っているような、現場が明るくなる方でした。いざお芝居が始まると、目から伝わってくる意志がすごく強くて。セリフだけではなく、それ以上にもらえる情報が多くて、言葉の奥にあるものが伝わってきて。私もすごくお芝居がしやすかったですし、意思疎通がしやすかったです。

― 17話の台本を初めて読まれたときの印象はいかがでしたか。

上様に、最後に自分の気持ちを伝えられるシーンがあって幸せだなと思いましたし、初めて台本を読んだ時は、自分のシーンであまりにも感情移入しすぎて涙が止まらなくなってしまって。セリフが一番覚えられなかったです。

正弘もここで終わりたくなかっただろうなと思うけれども、ここで終えるという覚悟が自分の中にできて、思いをちゃんと伝えられたことは幸せだっただろうなと。演じ終えた今も、そう思います。

― 17話で、馬に乗るはつらつとした家定と会い、言葉を交わすシーンはいかがでしたか。

一緒にお芝居する方がどう演じられるかを受けて演じたいと常々思っているので、今回も現場に行ってみないとどうなるか分からないなと思っていましたが、実際現場に立ってみたら、家定様が馬に乗っているのを見た瞬間から涙が止まらなくなりました。その時、あぁ、正弘はほっとしたんだなと思いました。

病弱であまりご飯も食べられなくて、ずっと城の中にいた家定様が、馬に乗って外に出ている。家定様を見た瞬間に「あ、もう私がいなくても大丈夫だ」と安心できたでしょうし、自分がいなくても胤篤も瀧山もいるし、自分が上様にお仕えしなければ、という使命感を持つこと自体がおこがましくも感じるというか。「上様を支えなければ」と思っていたけれど、もうそうじゃないんだと感じました。

会うまでは、体調が悪化して衰えていく姿見せることに不安もあったり、久しぶりにお会いできたときなんて言おうと悩んだり。正弘なりのけじめとして「自分を今日まで生かしてくれたのは上様のおかげです」「でももう自分にはできません」ということを伝えたいと思って行ったし、身体的に限界なことも理解しているはずなのに、いざ家定様に会ってみたら、もっと上様のそばで頑張りたいと思ってしまったり。人間なので、そういう複雑な気持ちもあったと思います。

でも、家定様に会った瞬間に、すごくほっとして。悔しいし悲しいし辛いけど、でも今日までやって来られて良かったなという気持ちに自然となれた気がしました。台本には書かれていなかったのですが、頭を下げたあと、無意識で「ありがとうございました」と言っていて。普段、セリフにないことを言うタイプではないので不思議な気持ちになりましたが、あぁ、正弘はそういう気持ちだったんだなと思いました。

演出の大原さんからも、あのシーンは特別演出があるという訳ではなかったのですが「辛くて苦しいかもしれないけど、そういう姿を見せまいと頑張ってみて。多分それがすごく、伝わると思うから」という演出は頂きました。その場でちゃんと芝居を受けて、感じて、言葉にしてくれたら大丈夫、という感じで、任せてくださいました。

― 大奥の撮影を振り返って、特に印象深いシーンがあれば教えてください。

まずは、大奥の廊下を走ったシーン。とにかく走り回って駆け抜けて。少しでも早く上様のお部屋に駆けつけようと一生懸命で。走り方もめちゃくちゃで大丈夫かなと思っていましたが、でもこれが正弘だったんだなと。体感して初めて、正弘の気持ちが分かったような気がしました。

着物を着て走り回ることも当時は当たり前だったと思いますが、私にとっては掛けをさばきながら走り回るのがすごく難しくて。最初の頃は大変で、所作指導の先生に助けてもらいながら撮影していました。

他には、やはり17話で上様が馬に乗っているシーンは思い出深いのと、上様とお菓子作りをしたシーンも心に残っています。中でも、上様と一緒にお豆を洗うシーンがありまして。それまでは所作を強く意識していたのですが、そこは初めて、所作を考えずにやることができて、豆洗いながら“生きている”という感じがして(笑)。

家事をする自分の私生活とリンクしたのかもしれませんが、正弘の日常を感じることが出来て、印象に残っています。しかも今回は、上様と一緒に豆を洗うという。時代劇でも、上様と一緒に豆を洗うなんて、なかなかないと思います。なので、すごく貴重な時間なんだろうなぁと思いながら演じていました。

(modelpress編集部)

【Not Sponsored 記事】
《モデルプレス》

特集

page top