Hey! Say! JUMP山田涼介、初共演・安藤サクラらと「関係性を築こうとは思っていなかった」理由 記者も唸った俳優人生への覚悟も<「BAD LANDS バッド・ランズ」インタビュー> | NewsCafe

Hey! Say! JUMP山田涼介、初共演・安藤サクラらと「関係性を築こうとは思っていなかった」理由 記者も唸った俳優人生への覚悟も<「BAD LANDS バッド・ランズ」インタビュー>

芸能 モデルプレス/ent/wide/show3
モデルプレスのインタビューに応じた山田涼介/ヘアメイク:二宮紀代子/スタイリスト:野友健二(UM)/レザージャケット:ショット、ネックレス:MIKIMOTO、その他スタイリスト私物(C)モデルプレス
【モデルプレス=2023/09/27】映画『BAD LANDS バッド・ランズ』(9月29日公開)に出演するHey! Say! JUMPの山田涼介(やまだ・りょうすけ/30)が、モデルプレスらのインタビューに応じた。本作で初共演となった女優・安藤サクラに「安心できた」理由や、過酷な撮影を経てもなお俳優として第一線で活躍し続ける彼の考えに迫った。

【写真】菅田将暉、 10年来の友人・山田涼介との2ショット

◆安藤サクラ&山田涼介「BAD LANDS バッド・ランズ」

本作は、第151回直木賞を受賞した「破門」や「後妻業」などで人間を突き動かす欲望を描いてきた作家・黒川博行による重厚な傑作小説「勁草」(読み方:けいそう)を『検察側の罪人』や『関ケ原』など数々の話題作を手掛けてきた名匠・原田眞人監督が映画化。

山田は、安藤演じる特殊詐欺を生業とする橋岡煉梨(ネリ)の弟・矢代穣(ジョー)を演じる。原田監督の作品に出演するのは、『燃えよ剣』(2021)以来2度目となる。

◆山田涼介、脚本の理解に苦労

小説の主人公を男性から女性へと大胆に変更し、映画化した本作を、山田は「全く別物の原田眞人監督が描く『BAD LANDS バッド・ランズ』という作品」と捉えた。「僕にしか演じられないジョーを演じたい」という思いを語る一方で、初めて本作の脚本を読んだ時は理解に苦労したと明かしてくれた。

「1回目に読んだ時は本当に分からなくて『どういうこと?』と思ったんです。言っていることもやっていることの内容も『こういう世界が本当にあるのか』と、理解するのにとても時間がかかって、3回ぐらい読んだほど非常に難しかったです。特に詐欺なんて、基本生きていて無縁のことなので難しい世界だと思いながらも、演じていく中で腑に落ちていく。生身の人間がやることによって、そこにとてもリアリティが出てきて、怖いというよりは『これはこれで面白い世界があるな』という気持ちになってしまった自分がいました。

『悪の中にも悪なりの正義がある』。それが良いとは一言も言っていないですが、あの世界でも人それぞれ生きている様がある、命があるということを、この映画を見た時に感じてもらえたら嬉しいと思っています」

◆山田涼介が捉えた“ジョー”というキャラクター

また本作では、全編関西弁に挑戦し「東京出身で、事務所で関西弁を使うタレントさんと話すぐらいのレベルなので、関西弁とは本当に無縁だったのですが、1ヶ月半から2ヶ月ぐらい前から先生についてもらってずっと練習していました」と役作りに苦労も。自身が演じたジョーというキャラクターについては「ティザーやポスターだとクールに見えるかもしれないですが、僕の中では結論『ただのアホで子供』」と言い切った。

「全然クールでもないしサイコパスでもない。姉ちゃんのためなら、自分が信じた道だったらと善悪の区別がつかないアホで人を殺すことにも躊躇しないので、ネジは本当に確実に外れてはいると思います。

だけど、やっぱり一番にあるのはネリ姉への愛。この霞んで見えている腐りきった世界の中で、ネリ姉がいるという光だけは失わないように生きている人間。捉え方によってはとても可愛い弟ですが、角度を変えてみるととても寂しい人間だと僕は思っています」

その解釈は監督にも受け入れられたが、山田にはさらなる要求も待っていた。

「原田監督の作品では全キャストと全スタッフを集めて本読みをしますが、その時に何も言われなかったので、それをベースに現場で足し算・引き算をしてやっていくしかないという思いがありました。ジョーというキャラクターは、映画に出ているどのキャラクターよりも自由奔放に生きている。やると決めたことは後先考えずまっすぐやりますが、それ以外はのらりくらりと起きたことに素直にリアクションして生きているので、現場でも原田監督からのアドリブの要求が本当に多い役でした。ジョーなら言いそうだという細かいところはほとんどアドリブです。でも関西弁なので、アドリブを自分から発することはできないんです。難しいし、正直言いたくないと思っていました(笑)」

◆山田涼介、本作の出演に「覚悟はない」信念語る

想像しがたい世界で生きるジョーを演じるために、何度も脚本を読み込みキャラクター像を築いていった山田。そのオファーを受けた際には並々ならぬ覚悟があったのかと思いきや、「覚悟はないです」ときっぱり。

「原田監督にお声がけいただいたら全部出るというぐらい僕は監督の作品が好きですし、何よりその現場に立っている時間がどこでも味わえない独特な空気感で刺激的です。怖かったりきつかったりと心地悪いという方もいると思いますが、僕にとっては逆に心地良くて、きっとMなんだろうな…(笑)」

演技への向き合い方は、山田が初めて原田監督の作品に出演した『燃えよ剣』のインタビューで語っていた「夢や目標を持たない」という彼の信念にも繋がっている。

「自分で『これをやりたい』と言って実現するのは、それを形にするプロセスで難しい過程はあるとは思いますが、言ってしまえば簡単なこと。やろうと思えばできてしまうことを僕はやりたくないので『こういう演技をやってみたい』といったような目標はないです。オーダーされて『なんだ?この役』みたいな役を演じていた方が僕は楽しいです。今回も『なんだこれ?』と思いましたし、安藤さんとの共演は、演技をしている人間としてこんなに誇らしいことはなく、決まった時は鳥肌が立つほど嬉しかったです。

そして原田監督の作品は、何度か経験している方が多く出ていらっしゃいますが、異常な反射神経を持っている人、原田監督が何を今ここで求めているのかを敏感に感じ取れる人でないと多分難しいのだと思います。役者の皆さんがそれぞれ求められているものに応え『それ以上のものを原田さんに出してやろう』という空気を1人ひとりが持っているので面白いのだと思いますし、僕の生きていく上での刺激、人生のスパイスになっています」

◆山田涼介、安藤サクラらとの関係性を築こうと思わなかった理由

山田がプライベートで1度だけ会ったことがあるという安藤。鳥肌が立つほど嬉しかった本作での初共演でその印象に変化はあったのだろうか。

「ものすごく気さくな方だったのを知っていたので、“安藤サクラさん像”はそのままでした。現場でもずっと自由で明るくて優しくて、とても気さくな方だったので、変に緊張することもなかったです。ただ、異常性を感じるほどにスイッチの切り替えが速すぎて、やっぱり持っている側の人間だと思いました。

ジョーという役もあり、どう返ってくるのかを何も考えずに言いたいことを言ったアドリブに対して、返ってくるボールがやっぱり面白いボールなので、毎日違う刺激があってワクワクしました。安藤さんだったからこそ、僕も変なボールを安心して投げられました。安藤さんに限らず、この『BAD LANDS バッド・ランズ』に出ているキャストの方たちは変なアドリブを言っても、全部ちゃんと返してくれるので、僕は本当にありがたい立ち位置にいさせていただきました」

そんな本作の現場では、共演者や監督と「関係性を築こうとは思っていなかった」と話す山田。

「お芝居が全てを語る原田監督の現場では、役とそのお芝居を通してその人のことが知ることができればいいと思っていました。

前作(『燃えよ剣』)でも、沖田総司が喋らずにただ剣を振っているだけのシーンで、原田監督が『お前が今までで一番の沖田だ』と言ってくださったんです。確かにそのシーンでは姿勢や振るう動作にもとてもこだわったので、その姿を見て言ってくださったのが嬉しかった。そこにいる人たちでしか分からない空気感を共有し合える時間が好きですし『現場ってそういうことだよね』と思っています」

◆山田涼介、原田監督からの印象的な一言「報われました」

さらに山田は、本作での印象的な撮影を振り返り、原田監督が現場で作り上げるシーンには、決まり事がないと語った。

「原田監督のアクションは決まっていないんです。『燃えよ剣』の時は決めなくてはいけなかったですが、銃撃戦となるとどこに球が飛ぶかなんて分からないじゃないですか。だから、自分の好きなタイミングで動くので、テイクごとに違うアクションが撮れます。手元をピックアップする画作りもせず、パンパンと撃ってそのまま走り出すといったように、日常にありそうなワンシーンを切り抜いている生っぽさや臨場感を大切にしていてかっこいいです。喧嘩1つにしても、かっこよく見せようと思っていない。ハラハラドキドキ感というよりも、突発的に起きるその出来事をカメラでも抑えていくという感じがします。

それに、あるシーンでは、安藤さんが『ぶつけたくないからベンツを運転するのが怖い』と言ったら、監督から『だったら涼介が運転するんだ』と指示され、急遽運転することになって驚いたこともありましたが(笑)、監督が信頼してくれていると感じてとても嬉しかったです。臨機応変に現場で生ものとして僕らの意見を尊重してくださるのがとても嬉しかったですし、信頼しあっているからこそ任せてくれる部分が多かったことが、ジョーをやっていて楽しい部分の1つでした」

口に出さずとも芝居を通じて伝えられる。そんな現場を生み出す原田監督だが、山田にとって忘れられない一言もあったという。

「映画館を出て、原田監督がニコニコして『かっこよかったでしょ。涼介めっちゃよかったっしょ』と言ってくれた時はやっぱり嬉しかったです。『涼介めっちゃよかったっしょ』と僕に言われても分からないなと思いながらも(笑)。そう言っていただけるだけで本当にありがたいですし、報われました」

◆山田涼介、過酷な撮影を乗り越えられた理由

本作で難しい役どころを演じきった山田は、これまでにも数々の話題作に出演し、活躍を見せている。なかには過酷な撮影もあったというが、辛い経験を乗り越え、それでも演技をし続けられる理由に、山田の俳優人生への覚悟が見られた。

「言ってしまえば、それが僕の仕事ですし、使命なので『やらなければいけない』というのが僕の頭の中で一番にあって、その状況に立たされるのが嫌いじゃない。それで嫌いになってしまっていたら、多分やめているのかな。根性があるかないかでこの世界でどう生きていくか決まっていくのだと思います」

◆山田涼介「BAD LANDS バッド・ランズ」を通して見る生き様

最後に、改めて本作の見どころを聞くと山田は、一瞬悩むような素振りを見せながらも「ネリの生き様かな」と口を開く。

「この作品は、何かを抱えながら生きている人間の根強さをとても感じられる映画だと思うんです。“姉弟愛”みたいな綺麗な言葉でまとまられるような映画でもないので、ネリが心の闇を抱えながら生きていく、その生き様を是非感じてほしいと思います」

自身のシーンではなく安藤が演じるネリを選ぶところに、この作品への愛、そして彼の俳優としての生き様を感じられたような気がした。(modelpress編集部)

◆山田涼介(やまだ・りょうすけ)プロフィール

1993年5月9日生まれ、東京都出身。Hey! Say! JUMPとして2007年に「Ultra Music Power」でCDデビュー。2008年には「スクラップ・ティーチャー~教師再生~」(日本テレビ)で連続ドラマ初主演。2015年3月21日公開の主演映画『暗殺教室』では、「第39回日本アカデミー賞」で「新人俳優賞」を受賞した。

その後もドラマ「カインとアベル」(フジテレビ/2016)「セミオトコ」(テレビ朝日/2019)「王様に捧ぐ薬指」(TBS/2023)、映画「鋼の錬金術師」シリーズ(2017・2022)など数々の話題作に出演している。

【Not Sponsored 記事】
《モデルプレス》

特集

page top