“2023年最高の韓国ドラマ”と言われる「ムービング」が心掴んだ3つの理由 | NewsCafe

“2023年最高の韓国ドラマ”と言われる「ムービング」が心掴んだ3つの理由

芸能 モデルプレス/ent/korean/talent
「ムービング」(C)2023 Disney and its related entities
【モデルプレス=2023/09/22】ディズニープラスにて独占配信中の韓国オリジナルドラマシリーズ『ムービング』の最終話が20日に配信され、世界的な高評価の中で全20話が完結した。同作に「2023年最高の韓国ドラマ」の声が多く上がっている理由とは。<※ネタバレあり>

【写真】“2023年最高の韓国ドラマ”と言われる「ムービング」個性豊かなキャスト集結

◆「ムービング」世界的な高評価の中完結

本作は韓国の有名作家であるKang Fullの同名人気ウェブトゥーン漫画を実写ドラマ化。国家安全企画部のエリートスパイとして活躍した超能力者たちと、親と同じ能力を持って生まれた子どもたちによるアクションヒーローズドラマだ。

治癒・超感覚・浮遊といった超能力を持つ元エリートスパイたちを、リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ、チョ・インソンら豪華大物俳優が、超能力を隠したまま現在を生きる子どもたちをコ・ユンジョン、イ・ジョンハ、キム・ドフンら期待の若手俳優らが演じた。

8月9日に配信開始した本作は、7日間で世界中のディズニープラス、米国Huluで最も視聴された韓国オリジナル作品(視聴時間ベース)に。韓国では公開後OTT総合話題性ランキングで1位となり、ディズニープラスの新規加入者数が14万人増加。過去一の増加率となり、ディズニープラス韓国ドラマの中で最高興行作となった。米Forbes等海外メディアも同作を高く評価し、SNS上では「2023年最高傑作」の声がすでに多数上がっている。

◆子ども世代・親世代を行き来する精妙なドラマ構成

これほどまでに視聴者を引き付けた要因の1つとして、原作者Kang Fullによるシナリオが光った異例のドラマ構成がまず挙げられる。本作は初日に序章の7話を一挙配信。以降毎週水曜に2話ずつ、最終日は3話構成のフィナーレとして配信された。

総製作費650億ウォン、人気ウェブトゥーン原作という点で開始前から2023年最高期待作に選ばれるも、トレンドに逆らう20話構成といった点が懸念材料となっていた本作。しかし全体を大きく3つの章に分け、現在と過去を行き来する精妙な脚本で最後まで視聴者を飽きさせることはなかった。

特に、序章では初恋や思春期の葛藤を経験する子どもたちの学園青春ドラマを、中盤には国家を背負うスパイとなった超能力者たちの壮大な人生ドラマを描き、最終章では親世代と子どもたちが集結して迫力のバトルアクションを繰り広げるという、1つのドラマ内でいくつものジャンルを味わうことができるという点が他にない満足感につながった。

さらに時間軸を何度も行き来することで、視聴者は、全ての登場人物、あらゆる演出やセリフに意味があったことに後から気づかされる。そのように物語全体に緻密な伏線を張りめぐらせ、没入感を高めた。冒頭登場する意地悪な校長先生や、用務員のおばさんの意味はもちろん、ボンソク(イ・ジョンハ)の家がなぜトンカツ屋なのか、なぜソースにリンゴを入れるのか、なぜ家の屋上が紫色なのかまで次々に分かっていくため鳥肌ものだ。

序章の7話では役作りで30キロ増量した若手俳優イ・ジョンハのエピソードなどで話題となり、8話からは熟練の豪華俳優たちが畳みかけるように登場しクライマックスまで一気に盛り上げていったことも新鮮だった。

◆650億ウォン投入…韓国ドラマ史上最大級のスケール

韓国ドラマ史上最大級の650億ウォンを投じた迫力の映像ももちろん1つの成功要素だ。空を飛び、ケガが一瞬にして治癒し、光のように早く走り、あらゆるものを破壊する怪力を持つ超能力者たちのバトルアクションを、全20話を通し映画のようなスケールで映像化した。

CIA工作員とのバトル、中国、ロシアでの諜報活動、北朝鮮の最高指導者襲撃、ヤクザたちが大挙する任侠アクションまで…時代劇×ゾンビアクションの話題作『キングダム』シリーズのパク・インジェ監督を筆頭とした演出陣が作り出した、手に汗握るアクションシーン。画面から飛び出してきそうなダイナミックでスピーディーな映像は、思わず声が出てしまいそうになるほどの完成度だ。

◆超能力者たちが描き出す「ヒューマニズム」に号泣

構成や映像の質の高さはもちろん、同作がファンを増やした1番の要因は、超能力者たちを主人公として描いたヒーローアクションドラマでありながら「ヒューマニズム」つまり「人間らしさ」を最も重要視して描かれたという点だろう。第9話のタイトルが「ヒューマニスト」であるように、非人間的な能力で戦う彼らが伝えたのは、英雄的なカッコよさなんかではなく、反対に人間的な感情、不完全さ、多様性の美しさだった。

作中ではスパイたちの国家バトルの軌跡よりも、登場人物1人1人のヒストリーを深く掘り下げて描かれる。例えばリュ・スンリョン演じるジュウォンは、地方のヤクザ時代から運命的なロマンスを経て一流スパイになり、さえないフライドチキン店の店主になった現在までの壮大な人物史が映し出される。その中で視聴者が知ることになるのは、怪物と呼ばれる不死身の体を持つ彼が、実はとにかく不器用で繊細で、慈悲深い人間であること。自身の体を犠牲にしてまで、能力を酷使して戦うのはいつも「仲間、妻、娘への愛情」という最も人間らしい心ゆえだ。

作品内では、超能力がコンプレックスな子どもや、知的障がいを持つ超能力者、非超能力者に至るまで、あらゆる登場人物の歴史が描かれ、彼らの「自分を犠牲にしても大切な人を守りたい」という感情にいつもフォーカスが当たる。ハン・ヒョジュ演じるミヒョンの「子どもを守るためならいつでも怪物になれる」というセリフがそれを象徴していた。

最終的には敵である北朝鮮スパイたちのそれぞれの物語まで描かれ、彼らも誰かを守るために戦い、復讐の連鎖を終わらせることを願っていたことが分かる。つまり本作は善と悪が戦うヒーローものとは全くちがう、包括的なヒューマンドラマなのだ。

超能力者であろうと、非超能力者であろうと、障がいがあろうと、敵対する国家の人間であろうと、皆人間で、誰かを愛し、愛され、守り、守られ生きている。それは、ヒス(コ・ユンジョン)を想うボンソクの「超能力者でも君は人間だろ。しかも僕が好きな人だろ」というセリフに帰結する。

人間離れした彼らが気づかせてくれる人間愛のドラマであり、ド迫力のアクションを体感しながらもキャラクター1人1人に感情移入し毎回号泣できる。それが同作が世界中の人々の心を掴んだ理由ではないだろうか。(modelpress編集部)

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《モデルプレス》

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