松居一代はどこまで戦う? | NewsCafe

松居一代はどこまで戦う?

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連日、タレントの松居一代氏が動画サイト・YouTubeで独特の情報発信しています。7月19日には、「【第12弾】神対応!週刊新潮!独占手記!」という動画が配信されました。週刊新潮が右トップで報じたものへの感謝が語られています。新聞で言えば、左トップは一面のトップです。そして、右トップはトップ記事に準じたものです。動画の中で「週刊新潮様が私を救ってくださったんです!」と強い調子で話しています。この動画は12回目の配信です。これまでよりも口調が早く、「悪は滅びるんです。悪は必ず叩き斬られるんです」と、息巻いています。

「これこそが、真実の報道だ。一字一句、嘘がない」と動画の説明に書いてありますが、それもそのはずです。「週刊新潮」の記事のタイトルを見れば、「告白6時間! 渦中の『松居一代』独占手記」とあります。手記ですから、松居氏の主張を書いているものです(語り下ろしの場合は、松居氏の話した内容になります)。その内容の真偽はわかりませんが、松居氏が述べているのですから、“嘘”であるはずがありません。

そもそも夫・船越英一郎氏の不倫を告発する動画をアップしたのは7月4日です。タレント同士ではありますが、不倫問題などで夫婦関係が悪化したときに、YouTubeで一方の主張を流すのは珍しいのです。私の知る限りでは、はじめてではないでしょうか。しかも、視聴回数もかなり伸びていて、21日15時現在では最新の12回目の動画で30万再生を超えています。第一回目の動画はすでに310万再生です。100万再生を超えた「別宅の真相」では別居をすることになり、船越氏が家の近くに引っ越しますが、それは松居氏が探したマンションであることを強調しています。ここを強調するということは、自分は捨てられたわけではない、ことを言いたいのかもしれません。

私はこの動画にハマってしまいました。理由の一つは、知名度のあるタレントが、不倫というプライベートな問題に対して、ネットを使って問題提起している使い方にあります。二つ目は、おどろおどろしいまでに、恐怖を感じさせるような声のトーンと喋り方のミックスです。癖になりました。まるで、タレントの稲川淳二が怖い話をしているかのように、続きが気になってしまいます。三つ目は、素人っぽい編集です。タレントが流す動画ですから、きちんとした編集をしているのかと思っていましたが、少しパソコンが使えれば誰もができる程度の質です。そのため、最初は誰か別人がなりすましているのかと思ったほどです。

動画を見ている人を「家族」にたとえているところも気になります。冷静に考えれば、動画を見ている人がすべて松居氏の行動に納得している人ばかりではないでしょう。むしろ、ウォッチャーとして何度も繰り返し見ている人もいるはず。人の事情を完全に無視して、見ている人は「応援している」と位置づけ、家族扱いです。12回目の最後では、「家族のみんな、家族のみんな、週刊新潮さんだよ。読んでよ。読んでね」と呼びかけます。まるで、この動画を誰も不快に思っていない前提です。そうした確信犯的な動画になぜかハマってしまったのです。

もちろん「週刊新潮」だって、松居氏の告白に真実性があるから「独占手記」を掲載したわけではないでしょう。国会は閉会中ですし、政治の話題となっている森友学園や加計学園への便宜の有無をめぐるスキャンダルは、現状は大きなスクープが出てくるタイミングではありません。南スーダンPKOの現場で戦闘があった時期の日報のデータの有無についての記事は、雑誌ではなく、新聞が主導で報道されています。稲田朋美防衛大臣は隠蔽したとの報道を否定していますが、現在のところ、週刊誌が大きく報道する情報は得られていないようです。例年2月と8月はニュースが枯れる時期です。これを右トップとして扱わざるを得なかったとみるのが妥当でしょう。

それにしても、松居氏はどこまで戦うのでしょうか。ここまできてしまったのなら、なかなか落とし所が見つかりにくくなるんじゃないかと思うくらいです。反対に、名誉毀損で訴えられるリスクもあります。ネタ枯れの時期もあって、松居氏の動画はしばらく話題になることでしょう。
《NewsCafeコラム》
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