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何を基準に投票しますか?

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7月10日に投開票される参議院選挙での各党の戦いが始まっています。今回の選挙から選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、新たに約240万人が新たに有権者となったのです。そのため、10代や20代の投票率が注目されています。みなさんは投票に行くのでしょうか。行くとすれば、どのような基準で投票をしますか?

 前回の参議院選挙は11年7月21日でした。投票率は52.61%。東日本大震災が起きた後の選挙でしたので、復興や原発問題が話題になっていた時期ですが、投票率が半数をやっと超えたくらいでした。このときは、ネット選挙、つまり、インターネットを使った選挙活動が解禁されたときでした。にもかかわらず、低投票率だったのです。若者の政治参加や投票率向上などを目的としていたはずです。しかし、半数ほどしか投票しませんでした。

 もちろん、今回もソーシャルメディアを活用した選挙運動が展開されています。選挙運動に携わっている知人もいますので、それらの知人のソーシャルメディアでは、活発に候補者や政党の情報が流されています。そのため、関心のある人は、キーワードさえ思いつけば、いつでもどこでもどんなときでも情報を得ることができます。

 しかしソーシャルメディアを中心に使うということは、発信側の情報を受信者側が得ようとしたときに有効です。一方で、まったく関心がない人、あるいは関心があるかもしれないが、自分から情報を取らない人は、ますます情報が遮断されます。議論がきちんとされていない状況(例えば論点が明確ではなく、挙足取りに見えるとき)であれば、政治への関心がますます薄れていく結果を招きます。

 旧来の有権者で新聞(紙)やテレビの情報を中心に情報を得ている有権者は、メディアに編集された世界で情報を得ています。そのため、メディア上では、泡沫候補やインディーす候補とされる大きな支持母体がない候補者たちの情報はほとんどないのですが、基本的な政党や候補者の情報は“公平”に入ります。一方、ソーシャルメディアの場合は、関心ない候補者や政党の情報を見ないことができます。

 前回は、震災後ということで、ソーシャルメディア上では原発問題の話題でした。各政党や候補者がどんな訴えをしているかはわかりやすかったように思います。しかし、自民党が原発問題を正面から論じることを避けた印象があり、争点とはなりえませんでした。また、一部の候補者はそのネット選挙を生かした結果になりましたが、ネット選挙解禁は、それだけでは投票行動に結びつかないことも明らかになりました。

 前回の年代別投票率を見てみると、20代は33.37%で3人に1人が投票しました。30代では43.78%で半数も投票しませんでした。40代で51.66%、この年代層でやっと半分です。50代は61.77%。60代が最多で67.56%で3人に2人は投票しています。70代以上は58.54%。年代が高くなれば投票率が上がる傾向のため、「シルバー民主主義」とも揶揄されました。

 もともと特定政党を積極的に支持している人たちは、どんな状況でもその政党や関連する候補者に投票をすることが考えられます。しかし、特定政党を支持しない無党派層は、選挙に行くかどうかを含めて、悩んでいる人も多いことでしょう。私も今回の選挙は、積極的に投票したい政党や候補者がいません。自公政権を支持するわけでもなく、一方で「野党共闘」に魅力を感じません。共闘していない野党にも、積極的に投票したい理由がありません。

 そんな時、日頃私が関心のあるテーマについて政党が、あるいは候補者がどう論じているのか、どんな公約をしているのかをチェックするしかありません。現職や元職の場合は、どんな国会活動をしてきたのかが一つの指標です。投票に行かないのも選択です。「投票に行こうと思っているが、まだ投票先が決まっていない」人、各候補者のホームページで何を訴えているのかをチェックしてみませんか。

[執筆者:渋井哲也]
《NewsCafeコラム》
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