夏野甲子園、日中は避けるべきか | NewsCafe

夏野甲子園、日中は避けるべきか

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第97回全国高等学校野球選手権大会はあす決勝戦です。今年は、1915年に第一回大会(全国中等学校優勝野球大会)が開催されてから100年目にあたることから、「高校野球100年」という記念すべき年となっています。

準決勝で早稲田実業(西東京)を破った仙台育英(宮城)が決勝に進みます。北海道のチームは2004年と05年に駒大苫小牧(南北海道)が二連覇していますが、いまだに東北地区に夏の甲子園での優勝はありません。そのため、優勝旗が「白河の関」を超えるかが注目されます。ちなみに、仙台育英は昨秋の明治神宮大会では優勝しています。

高校野球で甲子園球場が使われるようになったのは第10回大会からです。完成した1924年が60年に一回の甲子年(きのえねのとし)だったことで、甲子園と名付けられました。1941年の第27回大会は太平洋戦争の戦局悪化によって、中止となっています。地方大会は行われていましたが、全国大会の中止は新聞でも報じられるのは禁じられたのです。

ところで、ここ最近の夏の大会は、猛暑との戦いといった印象もあります。9日には、熱中症を原因とする選挙交代がありました。この日の第一試合で登板していた津商(三重)の板倉誠人投手は七回途中、両手の痙攣を訴えて降板しました。また第二試合では、創成館(長崎)の二塁手の中島崇選手が両足のけいれんによって医師が熱中症と診断。九回から守備を交代しました。

日本体育協会は、気温が35度以上になった場合、運動は原則禁止としています。

もちろん、熱中症対策をしていないわけではありません。大会本部では、選手のベンチに水とスポーツドリンク、冷却剤や氷などを用意しています。また、理学療法士の助言によって、試合中はイニングごとにコップ1杯のスポーツドリンクを飲むことなどをすすめています。そのため、攻撃時にベンチにいるときは、体を冷やすことができます。といっても投手の場合、肩をならす必要があるので、攻撃時にずっとベンチにいることができません。

それでも試合中に熱中症になってしまう選手が出るのです。

また、選手以上に危険なのは応援団です。甲子園の応援席(アルプス席)には多くの人が集まり、声をあげたり、体を動かしたりして、一生懸命に応援しています。しかし、選手のベンチにあるようなクーラーがあるわけではありません。観客の中でも、8日には61人、9日には42人が救護室に運ばれています。

夏の甲子園大会を続けるのは、やはり健康面も重要視しなければならないと思います。私が学生時代に野球をしていたときは、練習中は水を飲むことが禁止されてました。そのため、朦朧とする中で練習をしていた記憶があります。もちろん、現在は給水をすることが推奨されていますが、熱中症になりかけ、足が痙攣をしたのを何度も経験しています。

もちろん、暑い中でも、試合に耐えられる体力づくりは大切だとは思いますが、選手には限度があります。また、応援団らの観客も過酷な状況だと思います。選手と違って、観客は暑さの中でも耐えられる体力を持っているわけではありません。大人の場合、暑いとビールを飲む観客もいるとは思いますが、利尿作用によって脱水状態が加速されかねません。

選手も応援団もできるだけ、万全な体調で試合をするのは、特に、気温があがる日中の試合は避けるべきではないでしょうか。

[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]
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