金融広報中央委員会が毎年発表している「家計の金融行動に関する世論調査」。金融資産の保有状況や借入金の有無、生活設計、家計のバランスなど、全国8000世帯の懐事情をいろいろな角度から調査したデータなのだが、そのなかに「老後の生活について」という項目がある。
その調査結果を見てみると、実に82.7%の世帯が「老後が心配である(「非常に心配である」と「多少心配である」の合計)」と回答、その理由については70.5%が「十分な金融資産がないから」と答えていた。
ここで気になるのが、世間一般の人が想定する「十分な金融資産」とはどのくらいなのか…という点である。NewsCafeのアリナシコーナーでは「貯金1000万円で老後は安心だと思う…アリかナシか」という調査が実施されたようだ。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。
【アリ…10.9%】
■恥ずかしながら貯金0だから1000万円ありゃ今より安心だもん。
■そんなに貯蓄があることがすごい。
■家はあり、定年後少ない年金で足らない分少しずつ使えば。甘い?
■何歳まで生きるかだな…日々の生活だけで細々やれば足りそう。
■余裕だな(笑)。
■厚生年金+1000万円の貯金なら何とかなるだろ。
■貯金を切り崩すような贅沢しなけりゃいけるでしょ。
■増やすから大丈夫。
■年金+1000万なら余裕で100年暮らせる。皆贅沢してるんだね。
■アリにしたけど足りないですよね…。そんなに貯金ないし不安…。
【ナシ…89.1%】
■とても足りない!! 世の中、厳しくなる一方。
■ないよりはましだろうが、考えれば考える程に足りない予感。
■病気や要介護になれば、そんなお金すぐに消えるわ。
■足りないんだろうな…でも貯められないな。
■いくら必要なのかいくらで生活できるのか未知数です。
■月20万、年240万、65歳定年で85歳まで生きたら4800万が最低限。
■定年までに5000万貯めないと!
■定年後、無職での生活なら、億単位は必要だと思う。
■年金に期待している人がいるんだ。いくら出るの?
■人生に安心はない。
結果は【ナシ派】約9割。かなり偏っているが…寄せられたコメントを見ると、この数字はそのまま「年金に期待できるか否か」の数字であると言い換えてもよさそうだ。【アリ派】に投票した人は「年金で生活しつつ、有事の備えとして1000万あればなんとかなるのでは」という意見が多い。一方で【ナシ派】の人は、完全に"年金はアテにならないもの"とした上で回答している。
「当方ファイナンシャルプランナーです。1000万では足りませんよ~(汗)」という、身もフタもないコメントも寄せられていた。そうは言ってもこのご時世、1000万円を貯めるのだって容易ではないのだが…。
以前、NewsCafeで「40年後、年金はしっかりと支払われると思う?」というアンケート調査を行ったところ、約半数…49.9%の人が「条件が厳しくなるが支払われると思う」と回答していた。いったいどれほど"厳しく"なってしまうのかが明確にならない限り、安心は見えない。
[文・能井丸鴻]
《NewsCafeアリナシ》
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