こればかりは電子化できない! 「古書の魅力」 | NewsCafe

こればかりは電子化できない! 「古書の魅力」

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タブレットやスマートフォンの登場で、電子書籍もすっかり一般的になった昨今。これまで、読書家・本好きといえば誰しも"居住スペースを本に侵食される悩み"を抱えたものだが、電子書籍との併用で楽になったという人も多いはずだ。
文化庁の「国語に関する世論調査」によると、電子書籍を利用する人は全体の17.3%、20~30代では30%を超えている。電子書籍市場は全体の8%ほどだが、2020年頃には電子が紙を超えるとも言われている。
しかし"書籍データを購入する"行為と、いわゆる"自炊"には大きな隔たりがあるように感じられる。自炊とは「手持ちの紙の本を裁断機で分解し、高速スキャナーで読み込み、電子書籍にする」ことを指しているのだが、これをすれば当然ながら書棚の本は減っていく。
前述の"悩み"と矛盾はしても、年経た本の魅力、古書の魅力から離れられないのが本好きというものではないのだろうか。NewsCafeのアリナシコーナーでは「古本の良さは重要、アリかナシか」という調査が実施されたらしい。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。

【アリ…60.3%】
■過去の絶版本は、古本でしか見つからない。通常は利用しないが。
■タブレットとかで読むより紙の本が好き。古本屋も見ていて面白い。
■何軒も回ってやっと絶版本を見つけたときはものすごく嬉しくなる。
■昔の本は専門的。今はバカでも解る様に書かれてる。
■処分した後に後悔している本に出会った時は嬉しい
■ナシの気持ちもわからないではないがそれでは何も触れなくなる。
■旧字体や改変前の文章を見つけるのが楽しく面白い。
■漫画の初版本には、プレミアがつく。作家のサイン入りも!
■積んどく主義にはなりたくないが文章の一節を知りたいと思う。
■古本には古本の良さがある。

【ナシ…39.7%】
■ごめんなさい。誰がどういう状態で触ったのか分からないから。
■本が湿っぽいし臭いから、買わない。高くても新品。
■カビ臭いのが嫌です。喘息が出そうで…。
■本にまったく興味のない私には新しくても古くても関係なくナシです!
■人ん家の匂いがする。ブックオフ行くと独特の異臭がするし…。
■ガサツなので扱い方がね、ちょっと不安かな…(冷汗)。
■買う気にならない。物によるが古本と言うだけで読む気が失せる。
■お菓子や飲み物等のこぼした形跡などがイヤだ。
■興味がないから良さがわからないだけ。

この"アリナシコーナー"の記事を書くときは、片方の意見にのみ肩入れしないよう心がけねばならないのだが…今回ばかりはどうしても【アリ派】の声にウンウンと頷いてしまう。「古本の魅力…紙が黄ばんでて、不思議な臭いがするところだろうか?」というコメントにも同意せざるを得ない。【ナシ派】の「素性が分からず気持ちが悪い」という意見も、確かに分からなくはないのだが…。また、絶版でなければ新品を買うというのも、文化を守る意味で大切なことだ。
ただ、いわゆる新古書店や中古本販売チェーンが扱う品と、昔ながらの古書店が扱う品に違いがあるのは【ナシ派】ユーザーにも伝わっているはずだ。薄白く濁ったパラフィン紙にくるまれ、古書店の棚に佇む稀覯書(きこうしょ)や初版本…醸し出す空気からして魅力的なのである。

[文・能井丸鴻]
《NewsCafeアリナシ》
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