日本の商標法においては「登録(商標登録)によって商標権が発生する」が、その商標が広く浸透しすぎて効力が弱められ、普通名称化することがある。つまりは「あまりにも商品名が有名になりすぎると、世間に『商標イコール品物の名前』だと認知され、商標としての機能を消失してしまう」という話だ。このため企業等では、登録している商標が普通名称化しないよう努力しているという。
有名な例では、元は大粒ブドウの一品種であった「巨峰」や、特許庁によって「"無線呼出用携帯受信機"の普通名称」と判断された「ポケベル」、米オーチス社の登録商標だった「エスカレータ」(自動式階段)などがある。
しかし、なかには"浸透している商標が複数ある"ため、普通名称化とまではいかないケースもあるようだ。NewsCafeでは「絆創膏(ばんそうこう)のこと、なんて呼ぶ?」というアンケートが実施されたらしい。ランキングとともに寄せられた声をご紹介しよう。
※回答総数…1635件
【1位】バンドエイド(31.7%)
■一番ポピュラーだと思う。[男性/50代/会社員]
■どれも知ってるけど、買うのはコレ。[女性/10代/学生]
■大人になり実は商品名だと知ったが、いまだに別物もバンドエイドと呼んでいる。問題があるならあると言ってくれ(笑)。[女性/40代/会社員]
【2位】絆創膏(28.3%)
■絆創膏は絆創膏。あとはメーカーの商品名です。[男性/50代/その他]
■職場や普段の生活で聞き慣れているから。[女性/30代/会社員]
■普通にこれぢゃない? たまにカットバンてゆー人もいるけど(笑)。[女性/10代/学生]
【3位】カットバン(19.9%)
■小さい頃はカットバンしか知らなかったので他の呼び方を知った時はちょっと衝撃を受けた。[男性/30代/その他]
■カットバン以外思いつかない。[女性/20代/主婦]
■地方によって呼び方が違うってテレビでやってたよ[女性/20代/会社員]
【4位】サビオ(8.0%)
■子供の頃、救急絆創膏といえばサビオしかなかった。[女性/50代/会社員]
■サビオと言ってます。北海道人なので。今はもう売っていませんが、北海道の多くのおじさん・おばさんは未だにサビオと言っている。[男性/40代/その他]
■そう覚えたから、田舎出てから言い方直すまでしばらくかかった。[女性/40代/その他]
【5位】リバテープ(5.9%)
■地域性がありそうですね! 沖縄ですが幼少の頃からリバテープ。[女性/20代/会社員]
■九州です。高校生になってからカットバンやバンドエイドも耳にするようになりました。[女性/30代/会社員]
■リバテープ製薬は熊本の植木町にあります。[男性/40代/会社員]
そして6位は【キズバン(3.9%)】という結果に。
3割超の票を集めてのトップは、ジョンソン・エンド・ジョンソン社が製造・販売しているガーゼ付き絆創膏の商品名「バンドエイド」となった。僅差の2位には「絆創膏」がつけているが、3位以下はどれも商品名である上、かなり票が割れている。
またコメントからはある程度の地域色がうかがえるものの、投票者データに住所が含まれているわけではないため、はっきりしない。北海道は圧倒的に「サビオ」、九州は「リバテープ」が多いようだが、「愛知県から結婚して岐阜県にきました。『サビオ取って!』と言われてまったくわからなかった(笑)」「佐世保から福岡に引っ越して、子どもたちに『カットバン』と言っても通じない…福岡では『絆創膏』」などのコメントもあった。方言が入り交じり、進化していく過程を見るようで、これはこれで面白い。
他にも「ハンザプラスト」「バンソコエイド」「ペッタン…ちっちゃい頃呼んでました」「キズテープ」「看護師なので、テープそのものの名前を言います。スリーMとか…」「祖母はエイトコバンドとよんでいた」「傷ナプキン」などなど、オリジナリティー溢れる(?)呼び名も寄せられている。
[文・能井丸鴻]
《Newscafeアンケート》
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