世論真っ二つ…「部活指導の外部委託」は見切り発車なのか | NewsCafe

世論真っ二つ…「部活指導の外部委託」は見切り発車なのか

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先頃、大阪市・橋下徹市長と市教委が「来年度から一部市立中学校で部活動の指導を民間事業者に外部委託する」との方針を固め、各方面で話題になった。週末まで指導に追われる教員の負担軽減、専門性の高い指導による生徒の技術向上が期待される一方で、練習を通じての"教員と生徒のコミュニケーション"や生徒指導が希薄化する恐れも指摘されている。
学校教育の一環としての"部活動"のあり方を、どのように捉えるか。NewsCafeのアリナシコーナーでも「部活指導は外部に委託、アリかナシか」という調査が実施されたらしい。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。

【アリ…47.5%】
■経験者でもない先生が指導しても困る。
■先生の異動で部活がなくなるのは、子供がかわいそう。
■本格的にやるなら素人の教師には不可能だもんね。
■やる気のない教師が多いから。
■武道は特に有段者やベテランでないと危険。
■コレをナシにすると私の存在意義がなくなってしまう(苦笑)。
■アリにはしたが問題が山積ですね!? あくまでも理想!
■先生方を本来の役割に専念させてあげる為には必要な措置です。
■ただし、人間性は要チェック。
■部によってはアリだと思う。

【ナシ…52.5%】
■勝つためだけの部活ならやらなくていい。
■外部委託だけではなく、教師が補助員として参加してほしい。
■部活には、勝敗や技術の向上以外に教えるべきことが多くある。
■全部委託はナシという意味。茶道部とか野球部とか委託できる。
■部活じゃなくて習い事みたいだね。
■外部委託するなら部活の数減らしたら? 部活は日本だけって!
■私立ならできなくはないが、公立にそんな予算ない。
■学校の先生は勉強だけ教えてりゃいいってもんじゃない。
■大変なのはわかるけど、そんなんで生徒との信頼関係大丈夫?
■外部の人に常識はずれな指導をされて、親は非常に困りました。

ご覧のとおり【ナシ派】優勢ではあるが、差はほんのわずかだ。また両派とも自らや我が子の部活動体験を根拠としたコメントが多く、説得力のある内容ばかりだった…にもかかわらず、まさに世論は真っ二つの様相を呈している。
「指導ってなんの指導? 外部とか有り得ない」「自分の学校の先生がいいよ」という声から「部活…後悔…体ボロボロ。今は歩く事だけでも精一杯(泣)。正しい指導をしてほしかった」という声まで非常に幅広い。ほかに「外部に頼んで、セクハラされた後輩を知ってるのでナシ」という、看過できない問題点を挙げる声もあった。
部活動の意義とは何なのか、技術の向上を主目的としていいのか否か、教員の仕事量は適正なのか…。こうした議論が尽くされるのを待っている間は状況が好転しない、と判断した大阪市の手は、ないではないだろう。ただ、問題と見るべきは"部活動を介さねば、教員と生徒のコミュニケーション・相互理解が不足する"と、多くの人々が感じている点なのではないのか。

[文・能井丸鴻]
《NewsCafeアリナシ》
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