厚労省の発表によると、平成24年の国民年金納付率は59%。制度存続が危惧される数字であり、この数字がさらに"国民の年金不信"に拍車をかけるという悪循環に陥っていることは確実だ。さらに言えばこの数字は表面的なものであり、学生や低所得者の支払い免除・猶予などを勘案すると、納付率は4割程度だという説もある。59%という数字は、現在猶予者の214万人が将来的(10年以内)に追納することが前提となっているのだ。
こうした問題はすでに各種メディアでも大きく取り上げられており、市民の間にある種の"諦めムード"が漂っているのは誰しも承知だろう。では、具体的な"年金への期待"はどの程度のものなのか。
NewsCafeでは「アナタは40年後(今年成人となった世代)の年金は現行のルールのまま、支払われると思いますか?」というアンケートが実施されたらしい。ランキングとともに寄せられた声をご紹介しよう。
※回答総数…680件
【条件が厳しくなり、支払われる(49.9%)】
■事実上破綻しても、払わないではなく開始が遅れる形にしたり、金額を低くしたりして誤魔化すと思う(汗)。[男性/40代/会社員]
■期待しないに限る。もらえても僅かなものだろう。[男性/30代/その他]
■1962年以降に生まれた人は払った年金額より、受け取る年金額が少ないとすでに発表されているから。[女性/40代/会社員]
■多少なりとも支払はないと国民が暴走する(百姓一揆)。国が一番恐れてる事。年金はねずみ講と同類。個人がやればパンク、国の場合はパンク前に税金で補充(血税で!)。[男性/40代/専門職]
■支給開始年齢が73才からとかになるのだったら大損になる。[男性/30代/会社員]
■きっと保険も破綻寸前。わたしが70歳になったら3割負担だぞ。[女性/10代/専門職]
【支払われない(39.3%)】
■自転車操業と適当な名簿。破綻は既に露見している。[女性/20代/会社員]
■もうドブに捨てたつもりでいる。[女性/30代/会社員]
■このまま行ったらまず貰えないだろうなって思う。毎月払うのバカらしくなる。私にとって15000円は大金なんだよ。[女性/20代/会社員]
■貰う前に死んでるわ。[男性/30代/会社員]
■年金機構が存在してるのか疑わしいし、自分たちの代でも同じ。[男性/40代/会社員]
■子供孫含めた遺族に人数割りして支払われるような仕組み作れば入れる人増えるんじゃない? 今のだと貰える歳ばかり後になって元を取る前に死んだら損してしまうからますます払う人減るよ。[男性/20代/その他]
【現行のルールのまま、支払われる(5.0%)】
■そう願う…。[男性/40代/専門職]
■おそらく、これからは平均寿命が短くなると思われます。昔と違って加工食品を食べたり、冷凍食品やコンビニ弁当とか食べてますからね。ヘタすりゃ60代になってしまうのではないでしょうか。[女性/40代/会社員]
■現行のルール自体があやふやだけど最低生活費は年金で賄える様に、ダメなら生活扶助で。[男性/40代/会社員]
【今より多く支払われる(0.6%)】
■過労死等で受給者が減り、積立金が過剰になって生き残った対象者へのパイは増えるから。[男性/40代/会社員]
■今より多くでないと、生活保護費の方がお得に感じてしまう。[女性/40代/専門職]
結果はご覧のとおり、惨憺たるものだ。「現行のルールのまま支払われる」「今より多く支払われる」に投票した人は合わせても5.6%、その理由も「過労死で受給者が減るだろうから」「平均寿命が短くなるから」など、どうにも悲観的な内容が目立った。
「今の制度のままでは無理だろう。年金を無くすとか減らすではなく、掛金制ではなく税金制にするなど根本的に制度と方法を変えるべき」など、代替案を示す前向きな声も寄せられてはいるが、そこへ至る道筋が見えない現状である。
"破綻"という言葉は非常に厳しい響きではあるが、少なくとも制度設立当初の見込みが破綻しているのは確実であり、その雰囲気が日本国民の心持ちに影を落としていることは間違いない。
[文・能井丸鴻]
《Newscafeアンケート》
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