"根性"では乗り切れない暑さ…「小中学校にエアコンを」約7割 | NewsCafe

"根性"では乗り切れない暑さ…「小中学校にエアコンを」約7割

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今年6月、千葉市議会が市立小中学校へのエアコン設置請願を不採択としたことに対し、ネット上で批判が相次いだのは記憶に新しい。不採択となった大きな理由は財源不足だそうだが、議員から「耐える能力も必要」などの発言があったため、各方面で物議を醸す結果になった。
ちなみに首都圏3県の政令指定都市では相模原市が今年度から設置を進めており、教室にエアコンがないのは千葉市のみとなっているようだ。
果たして昨今の暑さは"根性論"で乗り切れるものか否か…NewsCafeのアリナシコーナーでは「小中学校にエアコン設置、アリかナシか?」という調査が実施されたらしい。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。

【アリ…66%】
■近年の夏を考えるとエアコンなしは危険なレベルだと思われます。
■そして夏休みナシか、もっと短くしても良い。
■電気代はもちろん生徒父兄負担して。
■そして土曜日授業の復活。教員も含めて脱ゆとり。
■冬はともかく夏は必要。
■危険レベルに達する地域なら。
■環境を整えないと集中力も欠けます。
■ナシの人は、子供が憎いの?
■アスファルトの中に鉄筋コンクリートの建物ですから。時代。
■30年前とは暑さのレベルが違う。

【ナシ…34%】
■義務教育でエアコン等必要ない。扇風機で十分だろ!
■甘え過ぎ。エアコン付けるなら、一番暑い8月も授業するべき。
■気温は昔と変わらない。自己負担でどうぞ! 何でも依存するな。
■暑さにある程度慣れないと虚弱な子ばかりになるんぢゃね?
■贅沢! 節電しなさい! 税金払ってる社会人に電力を回しなさい!
■体温調節機能が育たない。扇風機が良い。
■逆に熱中症が増えると思うし、電気代とメンテナンス費凄いはず。
■必要な地域となくても良い所がある。
■辛抱覚えましょ!
■だから昔と違って子供は抵抗力なくてひ弱なんだよね。

アンケートに回答しているNewsCafeユーザーの年齢層は20~50代がメインであり、自身の小中学校時代には"教室にエアコン"などなかった人が大多数のはずである。それでも結果は【アリ派】優勢、7割弱の人が「小中学校にもエアコンは必要」と考えているようだ。回答の最多理由は「近年の夏は昔よりも暑いから」…である。
しかし一方の【ナシ派】からは「昔も今も暑いのは一緒」「体温調節機能が育たないのでは」などの声が寄せられており、こちらもまたもっともな意見であるように感じられる。
では現実に、日本の夏は昔より暑いのか否か。今年3月、環境省の研究プロジェクトチームは「世界全体の温室効果ガスの排出量がこのまま増えると、日本の平均気温は今世紀末には3.5~6.4度上昇する」という報告書を公表しているが、これはあくまで"世紀末"の予想だ。過去から現在までの平均気温については、世界平均で100年あたり約0.7度、日本では100年あたり約1.1度の割合で上昇しているという。
約1度…と聞くと大したことではないように感じられるが「平均気温が1度上昇する」というのは、当然ながら毎日の気温が1度ずつ上がっているわけではない。熱帯夜や猛暑日の日数増加、最高気温の上昇などは否定できない事実、ということになる。
また体温調節のための"汗をかく機能"が全身で完成するのは、およそ2歳頃だという。つまり小中学校にエアコンを設置しないことのメリットは、前述の議員が言うように「耐える能力を育てる」ことに絞られる。学習能率や熱中症対策と同様、大切な事ではあるのだが…果たして。

[文・能井丸鴻]
《NewsCafeアリナシ》
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