今年6月、東京・池袋の繁華街で車が暴走し、8人が死傷する惨事が起こったのは記憶に新しい。運転していた男は脱法ハーブを使用していたとみられ、同様の事故が全国でも相次いだ。さらには地方議員の脱法ハーブ所持が発覚し、注目度はにわかに高まっている。
事件を受けて警察庁は脱法ハーブの新名称を「危険ドラッグ」と変更、厚生労働省はいくつかの成分を"販売・所持禁止"薬物に緊急指定するなど対策は練られているが、後手に回った感は否めない。
脱法ハーブ…「危険ドラッグ」は、英語圏では単に「偽大麻」とも呼ばれ、香草に大麻・覚醒剤など違法薬物と類似した成分を吹き付けただけの代物だ。当然のことながら催眠・興奮・幻覚・幻聴作用などがあり、痙攣や意識障害、呼吸困難など重篤な健康被害を引き起こす恐れもある。
NewsCafeでは「危険ドラッグ問題に関して、アナタの関心度は?」というアンケートが実施されたらしい。ランキングとともに寄せられた声をご紹介しよう。
※回答総数…449件
【とても関心がある(48.5%)】
■一刻も早く法を改正し、厳しく取り締まるべきだ! 麻薬、覚醒剤と同じく非常に危険な薬物。[男性/50代/専門職]
■みんなが関心持たないと無くならないんじゃないかな。今回も何も悪くない関係ない女の子が殺された。厳罰化望む![女性/20代/会社員]
■これじゃ歩道も歩けない。もっと厳しくしてください。[女性/10代/専門職]
■自己満足の行為によって、人が傷つき、亡くなっているという現実、早急に処罰すべきです。何故取締りがゆるいのかが解せない。治安の良い日本を取り戻して欲しいです。[女性/50代/専門職]
■事件や事故に巻き込まれる可能性はゼロではない。あとどれだけ無関係の人の人生を狂わせたら法律は変わるのか?[男性/30代/その他]
【まったく関心がない(21.8%)】
■危険ドラッグには全然関心はない。即刻、規制強化すべき。[男性/50代/会社員]
■タバコすら吸わないのにハーブなんて興味もない。[男性/40代/会社員]
■政治家と警察の仕事ですから。[男性/40代/会社員]
■危険ドラッグ自体に関心は無いがそれを取り締まれない事に関心がある。[女性/20代/会社員]
【少し関心がある(18.3%)】
■教育は必要だね。[女性/40代/会社員]
■医学・生理学的に問題があれば規制すべきたけど摘発が難しいのかな?[男性/40代/会社員]
■名前は知ってたが今回の池袋事故で「ああなるんだ」と実態を知った。[女性/50代/会社員]
【あまり関心がない(11.4%)】
■関心はあるけど田舎に住んでるといまいち他人事です。[男性/50代/その他]
■いっそ大麻を解禁したら? 国が牛耳っているタバコより依存性はない! ってことだし![男性/50代/会社員]
■自分が使用しようと思わないから関心はないがこのような事故がおこるといつ自分が巻き込まれるかわからないから無関心ではいられないと思う。[女性/50代/会社員]
結果、「とても関心がある」「少し関心がある」が合わせて66.8%、「あまり関心がない」「まったく関心がない」が合わせて33.2%。数字だけを見ると3割を超える人が事態に無関心であるかのように思えるが、寄せられたコメントを読めばそうではないことがわかる。単に「自分が使用しようとは思わないから"関心がない"に投票した」という人がいるだけなのだ。
なかでも最も多かったのは「全部取り締まれ」「なぜ法規制しないのかわからない」という意見。これについては現在、厚生労働省が、類似成分を含む物質を一括して規制する「包括指定」制度の導入を検討してはいる。しかし2009年に同制度を導入したイギリスでは、すぐに別の構造をもつ新たな薬物が現れるなど、まさに"いたちごっこ"の状態に陥っているため、それで万事解決になるとは考えづらい。また、一時的な効果が期待できるとしても、その規制が新薬開発の妨げになる不利益は大きく、無視できない。
危険ドラッグ利用者の良心に訴える…というのは難しいことなのかもしれない。ならば声を大にして訴えるべきは「規制のリスク」ではないだろうか。新薬の開発が滞るということは、危険ドラッグ利用者自身や身内の体に何らかの健康被害が生じたとき、頼るべき薬品が使えなくなる可能性が高まるということでもある。危険ドラッグに手を出すことは、大切な人間の首をも絞めかねない行為だと認識するべきだ。
《Newscafeアンケート》
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