「Happy」がもたらしたブーム | NewsCafe

「Happy」がもたらしたブーム

ビックリ ニュース
今、世界で最も注目を集めているアメリカ人歌手「ファレル・ウィリアムス」。名前を聞いたこともない人も多いだろう。なぜ彼が人気なのか?ファレルの名が世に知れ渡ったきっかけは、なんと言っても世界最高峰の音楽の祭典グラミー賞で5冠に輝いた"歴史的事件"ともいえる豪華共演だ。エレクトロ・デュオ「Daft Punk」とフューチャーした「GET LUCKY」をソウル・フュージョンの名だたる大御所、スティービー・ワンダーやナイル・ロジャースなどに囲まれ一人のシンガーが歌い上げた。その歌手がファレル・ウィリアムスだ。グラミー賞受賞後も、その人気の勢いは止まる所を知らず、シングル曲「Happy」は全米シングルチャート10週連続1位!さらには、ミュージックビデオは全世界で2億5千万再生されるなど、世界はHappy一色だ!なぜ、この曲がこれほどのヒットをもたらしたのか。実は、このヒットの裏には、驚くべきムーブメントが巻き起こり、ある深刻な逮捕事件にまで発展する事態に・・・。

■ブッ飛んだ発想!
「ハッピーなんだよ 浮かれる気持ちを抑えたいけど ハッピーなんだよ」と歌詞にあるように、ひったすらハッピーな気持ちを歌にした「Happy」(笑)気むずかしい現代社会に精神の解放を求める人々のリデンプションソングとも言えるこの歌。印象的なのは、そのPV(プロモーションビデオ)だ。ファレルを中心に、職業や個性、人種も年齢も違った人々がノリノリな創作ダンスなどで自己表現をしている愉快なビデオに仕上がっている。また、このPVの何がすごいかと言うと、HappyのPRのためだけに、ちょっと斜め上をいったサイトが公開され、その仕組みが斬新すぎると話題となった。
そのサイトとは、4分間のPVを、24時間ひたすら連続再生させるという仕様だ。映像に流れてくるシチュエーションは、一般人から有名人まで様々な人々が4分間歩きながら踊っているインタラクティブな企画となっている。単純計算で約360人もの人々のハッピータイムが全世界に配信されているわけだ・・・。斬新すぎるぅっ!裏返せば、カメラさえ持っていれば誰でも撮れるシーンであり、動画に原曲をくっつけちゃえば、ほら完成!そのことに気づいた人々が、自身のハッピーな気持ちを動画に納め、次々と「俺が街」バージョンが投稿されている。次第にアメリカ国内だけでなく、世界六大陸を渡り巨大なムーブメントを巻き起こした。その流れは、YouTubeの閲覧規制がかかっている中国でも広がり、人民の"ハッピー"を望まない習近平も頭を抱えるレベルの勢いだ。日本でも、原宿を舞台に、お相撲さんやKawaiiガールたちなど様々な人々が出演し話題となった。

■突如の逮捕騒動!ハッピータイム終了!?
先日、イスラム国家のイランで、国連の国際幸福デーを祝福すべく、Happyのカバー動画を公開したところ、イラン人の若者らが逮捕された。テヘラン警察は、若者らの逮捕に至った理由をこう述べた。
「高潔なイラン国民を傷付ける下品なビデオがインターネットで公開されたからだ」
では、具体的になにが"下品"だと判断されたのか。それは、出演していた女性3人のファッションに問題があった。イスラム教では、女性は近親者以外には目立たないようにしなけらばならないことから、顔と手以外を隠し、頭を「ヒシャブ」という布で覆い被さなければいけないのだとか。だが、出演していた3人の女性はヒシャブを着用せず、なんとも美しい髪をなびかせていた。これらの騒動で、テレビ取材を受けた保守的な警察署長は堂々と・・・
「わが国の大事な若者たちは、こういった種類の人々を避けるべきだ。俳優や歌手、そしてこうした問題を避けるように努めてほしい」
と釘を刺した。しかし、いくら宗教上の理由にせよ、逮捕でみせしめとは過剰な行為ではないだろうか?この逮捕報道が広まると同時に、世界からは、問題となった動画が再アップロードされ、Twetterでは「#FreeHappyIranians」という彼女らの解放を求めたハッシュタグまで拡散される展開に。
全世界で人種や宗教、ステータスに捕らわれることなく自由気ままに表現してきたハッピーブームも、今回の逮捕騒動で意気消沈。だが、こういった芸術文化活動が世界を巻き込み、インタラクティブな活動を発信し続けることは重要だ。宗教や政治的な統制下に置かれながらも、グローバル社会への共存を願う人々を後押ししていかなければならない。彼女たちの早期釈放を祈ると共に、「表現の自由」を発信し続けたい。

※画像は問題となったイラン人の若者ら
参考元:Huffington Post(英語ページ)
【執筆者:王林】
《NewsCafeコラム》
page top