「隣の家がうるさすぎる」
狭い面積の中で住居がひしめき合っている日本では隣近所の騒音問題は深刻な問題だ。
昔は同じアパートに住む家族の子供が弾くピアノの音に耐えられなくなった男が一家を刺殺するという悲惨な事件まで起きた。
自分の発する様々な音に、人はどうやら客観性を失ってしまうようだ。
だからこそ音で注意されると、「そんなうるさい??あっちが神経質なだけじゃない?」と更なる口論に発展してしまう。
そんな厄介な騒音問題、ピアノの音がプロのピアニストのものだったら、あなたはどう思うだろうか?
最近、スペインでこの「ピアノ騒音問題」にまつわる裁判が話題になっている。
訴えられたのはスペインのプロのピアニスト、ライラ・マーティンさん。
一日八時間、週五日のピアノ練習で隣人に「うるさい!!」とキレられ、とうとう訴えられてしまったのだ。
訴えた女性、ソニア・ボソムさんは2003年~2007年までの間、週五日・一日八時間のピアノの音で精神的に病んでしまったのだ。
長時間にわたってピアノの音が聞こえてくることで睡眠パターンがおかしくなり、変な不安感を抱くようになってしまったのだ。要は音によるストレスである。
一時は腕さえ動かすことができない時もあったようだ。
ピアノの音がうるさい!といってもこちらはプロの演奏である。
「ただで聞けるなんで最高じゃん!」と喜んでいられるわけではないらしい。
精神的ダメージを負ったソニアさん一家はピアノの音から逃げるように引越しするはめになった。
「うるさい!ピアニストだろうがなんだろうがうるさい!」
こうして怒り狂ったソニアさんは騒音を理由に訴えに出たのだ。
さて、この裁判の行方であるが、なぜこれほどまでに注目されるのか?
実はこの裁判で、検察側はライラさんに
騒音と隣人に精神的ダメージを与えた罰として7年の懲役刑と約133万円の罰金を求刑しているのだ。
ピアノの練習で求刑7年である。
この求刑に「ヨーロッパって音を厳しく規制するけど、これは行き過ぎ!」
「ピアニストなのに楽器が弾けないなんてかわいそう」
等、批判的な声が続々あがっている。
ライラさんの両親も「他の場所で練習させるから!!」「騒音はアパートの一階のスーパーマーケットからではなくて??」と刑務所行きをまぬがれさせようと必死だ。
このピアニスト騒音裁判の行方はどうなるか。判決は今週に予定されている。
【執筆者:猫紫】
参照:New York daily news
http://www.nydailynews.com/news/world/pianist-faces-jail-practicing-loudly-article-1.1515202
Herald Dun
http://www.heraldsun.com.au/news/world/pianist-laia-martin-faces-jail-for-noise-pollution-in-spain/story-fni0xs61-1226758611477
(※PC・スマートフォンサイトです)
《NewsCafeコラム》
page top