未熟で経験の少ない、ただ若くてひたむきなだけ。それだけが取り柄の学生時代。 いつの時代もキャンパス内ではそんな「青い」若者が勉強や恋・友情模様が繰り広げられているのであるが、他国では少し様子が違うようである。 先日、IT先進国のインドで工学専攻の学生三人が教授との過激なバトルを繰り広げた結果、深刻な事態に発展したという。 朝八時過ぎ、インファント・ジーザス工科大学の学長であるスレシュ氏が車で出勤すると、いきなり三人の男子学生が立ちはだかるではないか。 「ちょっと、何なんだ??」 「先生、お願いします!停学処分を解いてください!お願いします!」 この三人の男子学生のうちの一人は最近、大学敷地内で他の学生と派手にけんかをして五日間の停学処分をくらっていたのだ。 けんかの理由は些細なことだ。 「なんでお前が席を独占してんだよ、どけよ」 「なんだお前?」 バスの席を巡って他の男子学生とバトルが勃発し、大学敷地内で更にけんかをやらかしたのだ。 その結果、「まず校内での暴力行為。そして他の学生への迷惑。よって五日間の停学処分」となったのだ。 たった五日間であるが、それに我慢ならなかったのか、処分を受けた学生は友人二人を引き連れて学長に停学処分取り消しを懇願しにきたのだった。 しかし様々な学生を相手にしてきた海千山千の学長には全く通用しない。 通用しないどころか「最近の学生はふざけている。考え方が甘い。いい加減にしろ」とでも言いたかったのか、まるで嘲るような態度だったという。 そもそも最初から学生が悪い。バスの席という人生の中ではどうでもいいことで場外けんかまでやってしまったのだから。授業への出席で席取りをしているのではない。 日本ならば教授に一喝されてすごすごと引き下がっていきそうなものだが、インドは違ったのだ。 「人がこれだけお願いしているのに・・・」 男子学生三人は学長の態度に激怒。そしてあらかじめ持っていたナイフで学長に襲いかかったのだ。 学長は殴る蹴るの暴行を受けた上、ナイフで数箇所を刺されて病院へ搬送される前に亡くなってしまった。 逮捕され、うなだれる男子学生三人。大学を停学どころか「人生停学」である。 あまりにも身勝手で後先を考えない行動には呆れるばかりだ。 ところでインドではなぜか席を巡って他の客と口論になることが多々ある。 それがたとえ旅行者であろうとお構いなしに席取りで喧嘩が勃発する。 悔しいだろうが、「そこ、どけよ」と言われたら黙って譲った方が身のためかもしれない。 【執筆者:猫紫】 参照:The Hindu http://www.thehindu.com/news/national/tamil-nadu/college-principal-hacked-to-death-by-students-near-tuticorin/article5220580.ece The Telegraph http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/india/ (※ともにPCサイトです)
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