生活保護の現物支給…賛成6割超ながら懸念も多く | NewsCafe

生活保護の現物支給…賛成6割超ながら懸念も多く

社会 ニュース
厚生労働省が発表した「被保護者調査」によると、今年5月時点での生活保護受給者数は216万1053人、受給世帯数は158万2066世帯で過去最多を更新…いまや生活保護費の総額は国家予算の約10%を占めている。
安倍政権は8月から保護基準額の引き下げを実施し、3年間で670億円の保護費削減を見込んでいる。しかし受給者らの反発は大きく、支援団体の呼びかけで全国各地から一斉に審査請求が持ち上がった。
不正受給、最低賃金との逆転現象など何かと絶えない「生活保護問題」について…NewsCafeでは「生活保護の現物支給についてどう思う?」というアンケートが実施されたようだ。結果とともに寄せられた声をご紹介しよう。
※回答総数…1048件

【現物支給に賛成(66.3%)】
■不正受給で贅沢品に使ってほしくないから。[女性/50代/会社員]
■毎日ギャンブルしたり、旅行したりしている受給者(もちろん友達ではない)を何人も知っている! こっちは一生懸命働いてもそんな余裕ないのに。[男性/50代/専門職]
■まともに働いている人たちより不正受給者がまともな生活を送っている現実。やる気が失せるわ。[男性/30代/その他]
■基準も厳しく。貰ってるのに、ベンツやBMWとかおかしいだろ。[男性/10代/フリーター]
■金(かね)ってやっぱり良くないよ。今のご時世。生活を保護するなら現物でしよう。このシステム自体反対だが。[男性/20代/その他]
■それが一番です。毎食配給するべき。生活用品も。とにかく現金減らせば不正者は減るしね。[女性/20代/会社員]
■本当に困ってる人なら助かるはず。[女性/10代/主婦]

【現物支給に反対(23.3%)】
■現物支給は却ってコストはかかるのでは? 生活保護世帯も光熱費やガス代上下水道使用料などの支払い義務はある。現物支給云々の前に、不正受給者の摘発に力を入れるべきでは…。[女性/50代/フリーター]
■使いみちをすべて制限されるなんておかしい。生活保護受給者には、わずかなお金を自由に使う権利も与えられないのかな? 人権侵害では。[女性/40代/専門職]
■使うぶんぐらい現金で渡してあげましょう。その上で不正を正していくのはどうですか。[男性/50代/その他]
■障がい児者を抱えている方、当事者の方は健常者とは違う必要な物があります。そういう方々には違うルールをとるべきです。[女性/40代/専門職]
■アメリカみたいに電子マネー(カード)で管理、何に使ったか明細を出す。無駄に使った分は返金させ、月数回のボランティアを課す。[女性/30代/主婦]

【わからない(10.4%)】
■必要な物は個人によって違うから。[男性/40代/会社員]
■生活保護支給だけでなく、失業保険支給の改善もして欲しい。[男性/30代/その他]
■本当に病気で働けない人は現金がいいと思うが…生活保護のお金をパチンコや遊びに使う人がいるからね…なんとも言えない。[女性/40代/主婦]

結果は賛成が6割超の多数派となった。一方の反対派も「逆にコストがかかりそうだから」という理由で投票した人が多いようだ。また諸外国のように、フードスタンプや電子マネー利用を推す人もいた。つまり「コストや手間の問題さえ解決するならば現金でなくても問題ないはず」と考える人は7割を超えると言っていいだろう。「ギャンブルや旅行に行ってる事実がある以上、現物支給もありだと思う」「記名式プリペイドカードにしたら? 振込や現金支給だと経費高いのでは? 支払い内容も確認できるしね」など様々な意見が寄せられていた。
誰にでも、事故や病気で働けなくなる可能性はある。そんな時の"最後のセーフティーネット"…本来ならば誰もが厚い保障を望むはずだ。しかし、前述の不正受給問題や最低賃金との逆転問題などが解消されない以上、事は労働者のモチベーションに関わってくる。現物支給は一例だが、何らかの大きな改革が必要な案件であることは間違いない。

[文・能井丸鴻]
《Newscafeアンケート》
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