神奈川県横須賀市教委は体罰を隠していたのか? | NewsCafe

神奈川県横須賀市教委は体罰を隠していたのか?

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神奈川県横須賀市の市立中学校で昨年9月、体育祭の練習中に、男性教諭(30代)が男子生徒(当時中学2年)を突き飛ばしました。その結果、両手首の骨が折れる全治2カ月の大けがを負わせたのです。この件は9月4日付けの各紙で「公表せず」と報道されました。こうした報道は「隠蔽」とも取られかねません。しかし体罰を意図的に隠したものではないのです。

市教委によると、市は生徒側に治療費や慰謝料などとして計32万3680円の損害賠償金を支払い、8月に示談が成立しています。9月市議会定例会で議案にあがっているために、市側が記者クラブに説明を行なったのです。その際、記者側が知り、報道されることになったというのです。

ちなみに、この件は5月の市教委定例会ですでに報告されています。この段階で記者が知ることも出来ましたが、定例会を傍聴もせず、議事録を読んでいた記者がいなかったということなのでしょう。

個別の体罰が市教委定例会で報告されることは基本的にはありません。県教委が懲戒処分をしたケースのみ公表されることになっているため、定例会への報告も同じ基準になっています。今回も、加害教員は懲戒処分を受けていません。ただし、今回は、損害賠償を伴うケースのため、市教委定例会に報告することになったのです。

示談が遅れたのは、担任教諭に対する保護者の感情、県教委の処分への不満があったことがあげられるといいます。この定例会への報告段階でも保護者は処分内容に納得していませんが、賠償は受け入れたといいます。「和解も成立した。今は落ち着きを取り戻している」(教職員課長)とのことです。

定例会では教育委員からの質疑も行われています。

――もう後遺症はないのか

学校保健課長 学校生活、日常生活ともに特に支障はない

――けがが治ったというが、心の部分はどうか

学校保健課長 学校生活に影響があったとは聞いていない。

――再発防止にはどんな手立てを?

教職員課長 当時の学校長は異動しているが、十分に引き継ぎを行なった。当事者の教諭、生徒の状況も把握し、校長も管理職として適切な指導をすることで対応している。

「もちろん体罰は許されることではない。どんなケースでも体罰があれば、関係者を聴取したります。大切なのは子どもの気持ちです。体罰は子どもを傷つける」(教職員課長) 県教委は7月、「体罰防止ガイドライン」や「別冊 校内研修ツール」を作成し, 教職員への啓発を行なっています。 市教委によると、市民から体罰自体への怒りの声は届いていますが、「公表しなかった」と報道されたことへ批判はありません。今回の記事は、記者側が気付くのが遅かっただけです。せめて、5月の市教委定例会では報告し、議事録にも残っていることを書いてほしいものです。

[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]
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