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「ストレス耐性」を上げる

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張り切って新年度を迎え・ゴールデンウイークで一息入れた後に来るのが「何となく憂鬱な木の芽立ちのころ」である。意外なことにこの時期に「うつ病の発症」が多いのである。今やうつ病は社会的にも一般的な病気であり、企業では「うつ病の疑い・仮性うつ病を入れると社員の7%程度」とのデーターもあるのである。駅前に多くの「鬱系のクリニック」があることが現状を物語っているのである。治療の最大にポイントは「早期の自己発見」であり、効果的な薬も生まれており、多くの場合は早期の対処であれば「治癒は可能」である。うつ病の増加の背景には近年深刻化している「社会人のストレス問題」があるのである。

識者は『うつ症状を訴えるビジネスマンが増えている。この根本には「職場のストレスに悩んでいる人」の増加がある。同じ職場で同じプレッシャーを受けているはずなのに「あまりストレスを感じていない人」もいる。これは「メンタルタフネスの個人差」なのである。メディカルケアの専門病院の院長は「人間が不安を感じるのは、脳の中の扁桃体という部位で、そこで感じる不安が強くなると自律神経の中枢を刺激し、発汗やふるえなどの身体症状を引き起こす。メンタルタフネスやストレス耐性の個人差は「扁桃体の感受性によって生まれる」といえる。扁桃体が不安を感じ続けると前頭葉にも不調をもたらし、「うつ」が引き起こされるのである。この扁桃体を鍛えれば…であるが「扁桃体の感受性は遺伝や成長期の環境における経験である程度は決まる」と考えられている。

現実生活で注意できることは、睡眠不足やカフェイン、アルコールの摂り過ぎに気をつけることくらいである。社会人になってからメンタルタフネスを強化するのは厳しいということである。重要なのは「受けるストレスを減らそうとする努力より、受けたストレスをどのように発散するか」である。週5日以上拘束されて労働するなかで、ストレスを感じないようにするのは非現実的であり「ストレスは受けて当然のもの」と考えるべきである。そのうえで「受けたストレスをどう発散していくか。その日・その週にたまったストレスを定期的に発散しきれるよう工夫を重ねること」が、メンタルヘルスを向上させる最善策である。ストレスを発散するコツは「自分のための時間を定期的に作ること」である。短い時間でも良いので、自分の趣味やスポーツなど「100%自分のために費やせる時間を確保すること」である。逆にいくら休みがあっても、ずっと寝ていたり、家事に追われたりではストレスは解消できない。長さに関わらず、「自分のために時間を使えた」という実感が重要である」と言う。1日ごと、あるいは1週間ごとに「受けたストレスを発散させ・溜めないこと」が肝要のようである。洒落て言えば「ワークライフバランスが肝心」と言う事である。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》
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