「オレオレ・振り込め」の次は「手渡し詐欺?」 | NewsCafe

「オレオレ・振り込め」の次は「手渡し詐欺?」

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携帯電話の普及に合わせるように「新手の詐欺」が流行るのである。2003年頃に誰となく言い始めたのが「オレオレ詐欺」である。ターゲットにした高齢者の息子や孫になりすまし「オレだが・携帯電話を失くした・会社の金を使い込んで・この口座に振り込んで」と言うやつである。「息子になりすまし・オレだが」と言う所から生まれた新語だが「会話手法も変わり…」さらに架空請求詐欺や還付金名目の詐欺など新手の詐欺が増加し、2004年には警察庁が「振り込め詐欺」とネーミングし、強力な取り締まりと啓蒙を行ったのである。

その後ますます詐欺集団のテクニックは多様化・分業化してきたので警察的には「振り込め類似詐欺&特殊詐欺」と呼び始めたが「高齢者にはなじまれず・パンチもない」と言う事で、今回の「警視庁の新しいネーミング募集」となったのである。その最大の理由は振り込ませるから「訪問し現金を手渡しで受け取る」と言う手法の変化がある。

識者は『平成20年には振り込め詐欺は全国で2万件・被害総額は275億円だったが、警察による取り締まりの強化で平成21年には7300件・95億円に激減、その後手渡しなどの手口で被害額は160億円に増加した。70%が手渡し型である。この結果を受けてPR作戦として「今回のネーミング募集」になった』と言う。すでに県警等では独自に「儲かります詐欺・貸します詐欺・支払え詐欺・買え買え詐欺…」などの愛称?をつけているが「帯に短し・襷に流し」の感があるのである。識者は『ネーミングをすると犯罪の意味が固定化し、個別の事件の悪質さが浮かび難くなくなるきらいがあるが「高齢者には被害防止のきっかけ」になるので良いと思う。奇をてらったネーミングよりわかりやすさが重要と思う』と言う。

参考までに警視庁に聞くと『振り込めに限らない被害者を「パニックにさせてだます」が直感的にわかる高齢者にわかりやすい』がネーミングのポイントと言う事である。いよいよ本格的な高齢化社会の到来である。また「孫の教育資金に1500万円を相続」と言うくらいお金を持っているのもおじいちゃん・おばーちゃんであるのである。いわゆる「振り込め詐欺」が許せないのは「孫の世代がおじいちゃん世代をだますこと・大した罪悪感もなくゲーム感覚で詐欺を働くこと・分業制で犯罪を行い大した罪にならないこと」である。明確な統計はないが「子供や孫と疎遠な高齢者がかかりやすい・パニックになりやすい高齢者の女性がかかりやすい」様である。一度「両親を含め家族での傾向と対策ミーティング」が必要と思うのである。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》
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