いわゆる「ご近所トラブル」にはさまざまな事例があるが、ここ数年で最もインパクトの強かった出来事と言えば、やはり「奈良騒音傷害事件」…あの"騒音おばさん"の事件だろうか。約2年半にわたり騒音を出し続け、近所に住む夫婦を不眠・目眩などで通院させたとして、2005年に傷害罪の容疑で逮捕。2007年には最高裁で実刑判決が確定している。テレビのワイドショーで何度も流れた「引っ越し、引っ越し」と叫ぶ姿…。近隣トラブルといえば彼女を思い出す人も多いのではないだろうか。
騒音問題、ペット問題、ゴミ出し、駐車、隣家との境界線…数え上げればキリがないトラブルの元。しかし、隣人に恵まれなかったからと言って、簡単には変えられないのが"住まい"だ。そのストレスは日々蓄積され、暴行や殺人など取り返しのつかない惨事に発展した例もある。
そこでNewsCafeのアリナシコーナーでも「近所トラブルの経験はありますか?」という調査を実施した。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。
【アリ…52.6%】
■躾もできないのに犬なんか飼うな。一日中吠えてうるさい。
■隣の子供の騒ぎ声。注意してもやめる気なし。次は警察に連絡する。
■上に住む家族が何回注意しても子供が昼夜問わず運動会!
■子供のいないご家庭から、子供の声がうるさいと…。
■知らず知らずのうちに迷惑をかけていることがあるかも…。
■ごみ出しの袋の中を荒らされます。犯人はわかってますけど言えない。
■車を思いきりキズつけられた。本当に許せん!!!
■引っ越したそうそう嫌がらせを受けた。
■宗教のしつこい勧誘。
■多かれ少なかれ、住んでいれば必ず経験しますよ!?
【ナシ…47.4%】
■愛想なしと言われようが「広く浅く」の関係を保つようにしてる。
■近所付き合いもないからトラブルもない。
■トラブルはないけどイライラする近所さんはいる。
■野良猫餌付けするから、庭にフンをされて困るが言えない。
■うちはないけど、隣と向かいの家がモメてた。罵声がして、警察もきた。
■私はないが、実家ではあった。
■クレ-マーは必ず近所にもいる。こちらが下手に出ておだてるしかない。
■仲良くやってます。まぁ、努力は必要ですが苦ではない。
■揉めるお隣さんがいない。実にのどかだ。
■幸い、良い隣人に恵まれて、感謝しております。
結果は【アリ派】【ナシ派】ほぼ半々と言ったところ。【アリ派】に寄せられた数々のコメントのテンションは、思った以上に高かった。「近所の揉めてる2軒のとばっちりを…」など巻き込まれタイプの人の声や「おかげで引っ越した。今や2軒分の住宅ローンレンジャーだい」と人生計画を狂わされた体験まで寄せられ、この問題の根深さを感じさせた。
そしてコメントを見ればわかるように【ナシ派】の人も何かしら近隣に不満はあるが、伝えていないため表面化せず"トラブルにはなっていない"とした人が多そうだ。この問題の難しさはまさにそこにある。ヘタにつついてこじれようものなら、まさしく藪蛇なんてことになりかねない。実は筆者もそのクチで、上階の子供たちを心ひそかに"雷様"と呼んで、憂さを晴らす日々である。
不満や鬱憤を溜め続けるのは精神衛生上よろしくない。とはいえ"トラブル"は無いにこしたことはない。あえて強引に結論づけるとすれば、これだけ多くの"近隣への不満"が溢れているのだから、自分もいずれ何かしら迷惑をかけると想定して"お互い様"と思い込むしかない…のだろうか。
[文・能井丸鴻]
[写・GATAG]
《NewsCafeアリナシ》
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