例年より20日余り遅れて漸く関東地方に「木枯らし一番」が吹き、郊外のニュータウンから駅へのケヤキ並木も漸く色付いた。やがて落ち葉のシーズンになり、慌しい師走シーズンである。
この時期メディアを賑わすのが、年末恒例の各種ランキングだ。『今年の流行語大賞』はスッカリ風物詩となっている。そんな一つが経済誌が行なう「2012年ヒット商品ベスト30」の発表である。ランキング好きの日本人には楽しみな発表であると思う。
今年のベスト10は『1位 東京スカイツリー・2位 LINE・3位 国内線LCC・4位 マルちゃん正麺・5位 フィットカット カーブ・6位 JINS PC・7位 おさわり探偵 ナメコ栽培キット・8位 キリン メッツ コーラ・9位 街コン・10位 黒ビール系飲料』だという。
世界一の高さを誇る東京スカイツリーはさておき、ネットの新しいアプリや格安航空会社、婚活の新しいパターンや新しい飲料…と中々に多彩である。10位以下を見ると、11位にはブームが続いている塩麹・16位にはトヨタのハイブリット車 アクア・19位には韓国のスマホ ギャラクシーS3・22位にはタトーストッキング・25位には金環食・29位には人気のお掃除ロボが入っている。
ランキングをした編集長は『2012年は「前向きになりたい・元気になりたい」といった消費者の気持ちを反映した商品やサービスがよくヒットした』と見る。また、東京スカイツリーが1位になった要因については次のように説明している。
『世界一という称号の威力は伊達ではなく、建設中から観光スポット化している。その効果で東京全域が活況を呈した。スカイツリータウンには9月末までの約4カ月ですでに約2100万人が訪れ、初年度来場目標の3200万人を大きく上回るのは確実である。スカイツリーに近い浅草エリアでホテルの新規開業が相次いだのに加え、都内のあらゆるホテルが『スカイツリープラン』を設定し、近場の埼玉や千葉のホテルまでもが「乗り換えなしで行ける」などとアピールしている。その結果「大阪発浅草エリアの旅行ツアー」は昨年の4倍近くに急増した。都内主要19ホテルの7月の平均稼働率は前年比10ポイント増の78%と好調という。世界一の高さを誇る塔の完成が、震災後の沈滞ムードを一気に吹き飛ばし、日本復興の象徴となった』
さすがに「世界一効果」である。友人の奥さん達は「錦糸町のスカイツリー系列のホテルのディナーと組み合わせた入場券」と言う裏技で入場した様である。意外なのは「肝心の地元商店街は閑古鳥」と言う事。美味しい佃煮の銘店やお好み焼きやちゃんこの老舗があるのに残念な事である。
[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》
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