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特需に期待するブラジル

スポーツ ニュース
ロンドン五輪が終了してはや3カ月。少し先の話になるが次回の夏季五輪開催地はブラジルだ。

ブラジルは近年、急激に経済成長を遂げた新興国であり、04年以降は5%前後の成長率を記録している。2012年に入ってから若干減速した感は否めないが14年のサッカーワールドカップ。さらにその2年後にはリオデジャネイロ五輪を控えるなどブラジル経済にとってこの2つの「特需」は大きなプラス要因に働くことが予想される。

ブラジルといえばまず最初に思いつくのがサッカー。「選手輸出国」と呼ばれるほど才能溢れる人材が多い。将来性のある選手はすぐに欧州のビッククラブのスカウトに注目され移籍していくのがパターンだった。有望な選手には億を超える移籍金が支払われることも珍しくない。実際にブラジルのクラブにとってはこの巨額な移籍金を頼りにしている

しかし、近年は有力選手が欧州からブラジルに移籍したり、将来性のある選手がブラジルにとどまるなど、これまでにない形を見せている。何故ならブラジルのクラブが欧州のクラブに劣らない給料を選手に支払うことができるからだ。国内の経済発展と共に資金力があるクラブが増え、選手を確保できるようになった。すでにスターダムへの階段を上っているサントス所属のネイマールがいい例だ。

2014年まで残留を宣言したそのネイマールの年俸は19歳にして約2040万ドル(約15億9000万円)とも言われている。クラブだけでなくスポンサーからの副収入も合わせたものだが、かつてブラジルのクラブでここまでの資金力を誇るクラブはなかった。

ブラジルでは、原油消費量をほぼ自給できることもあり、原油高の影響は受けにくい。鉄鉱石の輸出量が世界一、アルミニウムの輸出量世界第二位であるブラジルにとって資源価格が高水準で推移している今はかなりの追い風だ。

このようにこれから数年ブラジルは我々が思っている以上の経済大国になっても不思議はない。唯一の懸念点は治安の問題か。実際に現地に行ってみないと何とも言えないが、麻薬密売組織などニュースで見る限りは治安が良いとは言えないだろう。

この治安回復をアピールするためにリオデジャネイロでかつて麻薬密売組織が拠点としていた地区でマラソン大会を行い大会なども行われた。この地区は国際空港につながる高速道路の近くらしい。それに伴いインフラ設備も急ピッチで進んでいるという。世界中から訪れるだろう観光客に向けてこれからもアピールは続くと思われる。

数年後のブラジルはどんな国になっているのか…。今から楽しみだ。

[執筆者:松岡慶]
《NewsCafe》
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