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一票の格差と最高裁判所

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年々「国民の選挙に対する関心」が低下している事は嘆かわしい事である。知事等を選ぶ地方選挙の投票率は「概ね40%~」である。国政選挙でも「よほどの事が無い限り60%を越せば上出来」と言うところである。

識者は『投票率の低さは「政治が信任されていない」と言う事の裏返しである・「国民は自分にあった政治しか選べない」と良く言うが、まさに現在の政治は「低投票率にみあった低レベルの政治」と言う事である』と厳しく指摘するのである。
そんな政治状況の中で、ここ10年余りの大きな咎めが「一票の格差問題」である。最高裁大法廷(最高裁の全判事が参加)は昨年3月に「2009年の衆議院選の2.3倍の格差は違憲状態である」と判決を下している。それに続いて今回『1票の格差が最大5.00倍だった「2010年7月の参院選は違憲」として全国の有権者が選挙無効を求めた17件の訴訟の上告審判決で定数配分規定を違憲状態』と判断した。最高裁判事15人のうち11人の多数意見である。
最高裁が参院選を違憲状態と判断するのは、最大格差が6.59倍だった92年選挙に対する大法廷判決以来2度目である。いずれも政治への配慮?で「是正のための合理的期間は過ぎていない」として選挙無効を求めた上告は棄却しているが、明らかに最高裁は「一票の格差問題に取り組まない政治に怒っている」のである。
「衆参両院の選挙が違憲状態」とされるのは史上初めての事態であり、長年この事態を放置して来た「政治の責任」は極めて重いのである。政治は判決を受けてその都度「お茶を濁す○減○増との小手先改正」で対応して来た。今回もそんな対応の様である。
識者は「一票の格差是正は議員と言う職業のリストラである。今や家業とも揶揄される国会議員と言う食い扶持を国会議員がおいそれと手放すわけには行かないのは当然である」と言う。ここ半年余り現在の投票制度に疑問を持つ有志が、大型の新聞広告で「清き0.2票を」なる意見広告を中央紙に掲載している。この広告の言わんとするところは「限り無く一票の格差をなくせ・一票の格差がない事が民主主義の原点である」である。
極めて全うな意見であるが、根底には「衆議院も参議院も同じ機能」と言う考えが見えるのである。現在「衆議院と参議院の機能分化は極めて曖昧」である。衆議院の優越を認めている事項でも「肝心のディテール法案」では参議院の賛成が必要であり、これが「衆参のネジレ」につながっているのである。
限りなく一票の平等を追求するアメリカでは『下院議員の選挙は国勢調査で自動的に是正され格差は限りなくゼロ・逆に各州2名の上院議員(任期6年)の選挙は大きな格差のまま』である。これは上院が外交や防衛と言う「国としての長期的な問題」に先議権を持ち、日本で言う「政党としての党議拘束」が極めて緩い』からである。
今回の「参議院の一票の格差問題」に関して識者は『最高裁は「参議院は重要・だからなるべく1票の格差をなくせ・選び方を変えろ」との判決理由を述べているが、いっそ「違憲である」と言う判決を出したほうが議会改革に続がったのではないか』と言う。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》

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