「達成感」と言う魔物 | NewsCafe

「達成感」と言う魔物

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北米大陸の最高峰であるアメリカ・アラスカ州の「マッキンリー山」で、日本のベテラン登山隊の4人が吹雪での撤退中に雪崩に巻き込まれ遭難。数日で捜査は打ち切られている。

マッキンリー山は世界7大陸の最高峰の登頂を目指す登山家が北米大陸で目指す山であり、日本を代表する世界的な登山家&冒険家の植村直己氏が冬季単独登頂の帰路に遭難した事でも知られている。北極圏に近く「寒さが厳しい」と言う難易度の高い山。今回の日本人5人のパーティはエベレストなどの経験者を含むベテランチームで「大震災で計画を1年延ばしての挑戦」と言う事だったという。

5月の連休に起きた北アルプス・白馬連峰での登山に精通した医師4人を含む60~70代6人パーティの遭難死に次ぐ「ベテラン登山家チーム」の遭難だ。初心者ではないベテラン登山家の遭難に、"何故?"と言う思いが付きまとう。

「何故危険を冒してまで山に登るのか」は、われわれ素人には大きな疑問だ。

『その答えはエベレストの世界初の登頂を果たしたか否かは未だに論議を呼んでいる マロリーが「 なぜ、あなたはエベレストを目指すのか」と問われて「そこに山があるから(Because it is there )」と答えたという逸話にあると思う。「山があるから」の意味は「その山を登りきったという達成感を味わいたくて登る」であると思う。昨今の高齢者の登山ブームの背後には「変化の無い日常の中での達成感探し」と言う側面があるのではないだろうか。「達成感を味わいたいと言う欲望」が危険な登山につながるのである』

登山好きの友人はこのように語った。

ここ数年若者の富士登山や「登山嗜好の山ガール」は言わずと知れたブーム。去年彼女と2人で富士山に登ったネット企業に働く若者に理由を聞いたら「達成感を得たくて!」であった。かなり忙しく、成果を出している彼でも「リアルな達成感が欲しいのだろう」と思ったのである。

社会現象に詳しい畏友は『海外のカジノにのめり込む経営者、身の回りにいるパチンコ狂いを見ると、お金の問題以外に「ある種の達成感」を追いかけている様に思える。その様な視点で見るとゲームサイトのコンプリートガチャでの「お宝アイテムゲット」も「ゲームの中での達成感獲得」なのではないのかと思える』と言う。

現在、多くの企業が"成果主義"を取り入れている。
「成果が上がれば評価されて給料が上がり出世する」と言うロジックなのだが、今一、成果主義が業績アップにつながっていない様に思える。

多くの働く人は金や地位も大切だが「仕事を通じての達成感」を求めているのかもしれない。これからは、企業のマネージメントとして「達成感マネージメント」が重要になると強く感じた。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》
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