エースストライカーの大怪我 | NewsCafe

エースストライカーの大怪我

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6月10日、なでしこリーグの首位決戦となる日テレ・ベレーザ対INAC神戸のキックオフ前。INAC神戸の選手、監督、スタッフが背番号14の入ったTシャツを着て円陣を組んだ。

背番号14とは、FW京川舞のものだ。
京川はこれまで、U-20日本代表のエースストライカーに君臨し、今年8月に日本で開催される、U-20W杯でも活躍が期待されていた。今年2月には高校生ながらなでしこジャパンに初召集されて佐々木則夫監督からも好評価を得ていたのは記憶に新しいところだろう。今季は、INAC神戸に入団し、ルーキーながら開幕戦からスタメン出場。4節までは、4試合5得点と得点王トップに立つ活躍をみせていた。

だが、5節の試合中に左足の前十字靭帯断裂、内側側副靭帯と半月板を損傷するという信じられないような大怪我を負った。

通常、前十字靭帯断裂から復帰までに手術後8ヶ月以上かかるというのが定説だ。彼女の場合は、大きな怪我が3つも重なっている。クラブの発表によると完治までに6ヶ月以上としているが、容易にピッチに戻ることは難しいだろう。

サッカーでは、前十字靭帯断裂や損傷といった膝の怪我を負う女子選手が男子の3~4倍にのぼると言われている。昨年度の全日本女子サッカー選手権準優勝のアルビレックス新潟レディースでは、今季開幕から1ヶ月の時点で、菅澤優衣香ら3名が前十字靭帯系の怪我で戦列を離れたほどだ。

なぜ、女子選手はこれほどまでに膝の怪我が多いのだろうか?

それは、女性の身体のつくりに一因がある。女性は、男性よりも骨盤が横に広く、大腿骨も短いため、X脚になりやすい。また、女性には関節が柔らかい人が多いので、身体に大きな力が加わったときに、靭帯断裂などのリスクが大きいと言われている。

特に切り返しなど、急な方向転換を要するサッカーでは、膝に負担がかかりやすいのでそのリスクはさらに高まることになる。男子選手が接触プレーでの怪我が多いのに対して、女子選手は非接触での怪我が多いというデータもある。
また、日本人女性は腹筋や背筋、内臓の筋肉など身体を支える筋肉が弱いとも指摘されている。

となると、膝の怪我を予防するにはどうしたらいいのか、と考えてしまう。現在のところ、膝周りだけを鍛えるだけでなく、腰などの身体を支える筋肉などを鍛えることで予防をすることができると言われている。

6月11日から始まったなでしこジャパンの国内合宿。そこには、昨年9月のロンドン五輪最終予選の中国戦で右膝前十字靭帯損傷から復帰した丸山桂里奈の姿があった。厳しいリハビリを経て、なでしこリーグの開幕戦から出場して結果を残し、練習生として招集されたのだ。丸山は「ピッチに立ったときは、こみ上げてくるものがありました。でも、怪我をしてから、精神的に強くなったと思う」と胸を張った。

スポーツには怪我はつきものである。ただ、怪我を乗り越えて得られるものもある。
大怪我を負った京川は、まだ18歳。時間はたっぷりあるはずだ。リハビリは苦しいだろうが、一回り成長した姿で戻ってくることを期待したい。

[女子サッカーライター・砂坂美紀/ツイッター http://twitter.com/sunasaka1]
《NewsCafeコラム》
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