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事件ですよ、ナベツネさん

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史上最強といわれた今季巨人の補強。日本一のチームから左右のエース杉内、ホールトンを取り、さらに横浜から村田を補強。去年の最多勝の内海、新人王の沢村、さらに宮国の成長、外国人投手など投手力は万全。毎年はずれが続く外国人もボウカーは安定した力を発揮。投打ともにそろい、今年は絶対優勝と言われた。巨人軍会長のナベツネさんもご機嫌に優勝、日本一と公言してはばからなかった。それがなんと19試合目にセリーグ最下位。それも1日限りの超常現象かと思ったが、なんと翌日は3安打で連敗。

21日のヤクルト戦。澤村を立てて4連敗ストップを目論んだ。それまで中日、ヤクルトに3連敗。ホールトン、ゴンザレス、内海と言う特上の先発陣は1、2点に抑えるが、打線が湿ったままだ。この日はかなり大胆にオーダーを変えた。1番に高橋由、3番に坂本、5番に長野。期待の村田を6番に下げ、不振の小笠原はスタメンからはずした。しかしヤクルト先発赤川の前に散発5安打の完封。その結果連勝したDeNAに抜かれ最下位に転落。10試合以上での最下位は6年ぶり。まさに非常事態だ。開幕20戦目になる22日は、宮国を立てて連敗ストップを図ったが、ヤクルトの継投策に2-3で負け、5連敗。打線は2点を取ったものの3安打。ともかく火を噴かない。これでは自慢の投手陣も力が抜けると言うもの。特にヤクルト戦は内海、沢村、宮国の生え抜き3投手での3連敗は尾を引きそうだ。

一躍男をあげたのDeNA・中畑監督だ。オープン戦は3位と快調振りを見せたが、本番になるとやはり力の差は出る。早々に最下位に転落し、このまま沈んだままかと思われた。去年までは先発投手が立ち上がり早々に打ち込まれ、早々と試合をぶち壊すのがパターンだったが、今年は一味違ってきた。ベテランの三浦が復活し、高崎、国吉の若手はガンバっている。山本や外国人投手もそこそこにゲームを作る。中継ぎも小林、加賀、大原、篠原が健在。押さえの山口がまだ本調子ではないが、ここ数年30セーブ以上を記録しているだけに心配ないだろう。ここまで防御率2.87は上出来。投手力は去年に比べれば格段によくなった。キャッチャー鶴岡のインサイドワークも光る。問題は打線だ。ともかく打てない。打てるような打者が見当たらない。現在は中村、ラミレス、森本頼りだが、この名前からはいかにもポンコツ打線と言うイメージだ。期待の若手の筒香は怪我で復帰が遅れている。未完の大砲吉村、内藤はまったく音沙汰が無い。本塁打4本と言うのでは、プロとしての沽券にかかわる。聞くところでは球場使用料を半額にし、グッズ売り上げも好調などDeNA本社は満更でもないらしい。それならメジャーから大物2~3人の補強を発表しても良いのではないか。中畑監督のやりくりで何とか凌いでいるが、個人プレーもそろそろ鼻につく。

これで巨人は借金7(22日現在)。過去に借金7で優勝したケースは無いと言うから深刻だ。去年からの清武事件があるだけに、今年は有無を言わせずブッチギリ優勝で世間の耳目を封じたかった実力会長だが、少し目算が狂ったようだ。原監督には采配に迷いがあり、不振の一因。支える会長にこの成績は応えるだろう。このままでは責任問題は監督だけですみそうにも無い。尻に火がついた。まさに「事件ですよ」。

[ビハインド・ザ・ゲーム/スポーツライター・鳴門怜央]
《NewsCafeコラム》
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