「メルトダウン」警報 | NewsCafe

「メルトダウン」警報

社会 ニュース
3.11以来「メルトダウン」と言う言葉は極めて一般的な言葉になった。その言葉を聞くと「破壊された原子炉の燃料格納容器が壊れ、灼熱の核燃料が床に漏れ出す」といった状況が浮かぶ人が多いだろう。

実は個人にも、メルトダウン現象が起こるのである。その表れの一つが「うつ状態」である。多くの人は、仕事に没頭していると、自分の状態が客観的に見えにくくなるもの。"仕事が楽しくてたまらない"という状態であればそれほど心配はないが、多くの企業では「長時間勤務や慢性的な残業、人員不足による業務過多等の問題を抱えているのが現実だ。その様な状態が続くと社員の心と体に支障をきたす。
一般的には、真面目で黙々と仕事をするタイプが「うつ」になる確率が高いと言われている。識者は「気が優しく・自己主張が少なく、縁の下の力持ち的な、上司から見ると使いやすい部下がなることが多い」と言う。

知り合いのネット企業にいる若者もそのタイプだ。彼の場合「新しいアプリ立ち上げのための半年間の残業過多・親元から一人住まいへの住環境の変化・付き合っていた彼女との別れ」が重なり、うつになった。多くの場合、うつ症状は複合的な原因と言われているが、その中でも「仕事&職場起因」のウエイトは高く、早く兆候を掴む事が重要と言われている。経営コンサルタントをしている畏友に「自分のメルトダウンを見抜く身近な7つのチェック」を伝授されたので参考にして欲しいと思う。

納期通りに終わるメドがないのに、上司の叱責や同僚の眼が怖くて、進捗を聞かれると「大丈夫です・何とかします」と返答してしまうが、間に合わない事が多い。
問題意識はあるが改善に手をつけられず「仕方ない・やるしかない」と何時も自分を鼓舞してからとりかかるのが常である。
今までと違い机の上やPCのデスクトップが急に散らかりだしたが気にならない。
通常は数分で返信できるメールに10分~20分かかってしまう。
会議や打ち合わせで「答えや意見を言えず我慢する事」が多くなっている
平日(勤務日)の夜や土日の休日にプライベートな予定を入れるのが「もし仕事が…」と考え怖くなる。
体調不安が続いたり、体調を崩し易くなり、眠れない・途中で目が覚めるなどが顕著になる。咳・微熱・胃痛・肌荒れなども起こる。

以上の7項目であるが、いずれも日常的に良くある状況だ。最近はどの企業もギリギリの人数で廻っているところが多い様に見受けられる。「身体的な健康診断」は行なわれているが「メンタルヘルス」は本人や職場の同僚が些細なサインに気がつくしかないのである。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》
page top