一皮剥けて~テニス全豪オープン~ | NewsCafe

一皮剥けて~テニス全豪オープン~

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寒さで震える日本列島だが、オーストラリアは今が盛夏。そのメルボルンで行われたテニス全豪オープンでは、連日暑さに負けない熱戦が繰り広げられた。中でも日本人初の4勝を上げ準々決勝まで進んだ錦織圭。準々決勝はNHKが異例の実況中継をするほどだ。

昨年終盤にスイス室内でランキング1位のジョコビッチに勝ち、10位以内のランカーを撃破した錦織。全豪の前哨戦でもツォオガ、ロディックに勝ち期待が高まった。

1回戦は3-0。2回戦は地元のマシュー・エブデン。ランクは96位だが、長身でこの日は調子が良かった。たちまちに2セットダウン。攻めてもカウンターを食らう。3セット目から攻め一本から攻撃の緩急が付けられるようになった。だんだんリズムが良くなり、第3セットを6-4で獲るとそのまま3セットを連取した。

3回戦はジュリアン・ベネトー。30歳、ランク39位の選手だが、全豪前のシドニー国際で準優勝している。現在好調な強敵。1セットを取られ、これは中々厳しい試合だと見えた。ともかく守備範囲は広く、ゲーム展開が上手い。鋭い攻撃もある。一進一退の展開で2セット目から両者の我慢比べになった。攻めても逆襲が来る。今、乗ってる選手なのだ。
錦織は第2セットから緩急のペースを掴み、互角勝負。第2、第3はタイブレークに。ベネトーは大事なところで緊張するクセがある。これだけの技術をもちながら上位にいけない壁だった。案の定、タイブレークではダブルフォルトを始め自滅気味に錦織に取られた。その勢いで第4セットも連取し勝利を掴んだ。試合後に「何度か勝利を諦めた瞬間があった」と言っている。ベテランのネバチコイ選手に勝てたことに進歩のあとが見れた。

4回戦はツォンガ。昨年の上海マスターズや前哨戦でも勝っている。最初は、錦織がやや緊張気味であっさりダウン。2セット目から緩急の付けられる展開に持ち込み、錦織のペース。打っても打っても返ってくる展開に、ツォンガは我慢できずミスが続く。第2、3セットは危なげなく錦織。後がなくなった第4セット。ツォンガはネットに出る。ネットに詰める作戦はベネトー戦で錦織がよくポイントを取られたパターン。当然同国人同士。その情報は届いている。相手をコートの外に追い出し、ツォンガがネットプレーでポイントを重ねる。試合は最終セットへ。錦織は相手のサーブを破り、5-3でサービング フォー ザ マッチ。この緊張した場面で、錦織らしさが炸裂。目にも留まらぬ速さフォアのダウンザライン。次は緩めのサーブでツォンガのタイミングを狂わす。さらにセンターに197kmのエース。この日最速でマッチポイント。最後はネットに詰めたツォンガの右を抜くアングルショットでランキング6位を破った。プロ化以降日本人男子の4大大会準々決勝進出は初めてとなる。

マレーとの準々決勝。善戦したが格が違った。ただ今回、錦織の守備力は格段上がった。ボールに早く行き、予測のつかないフォアは大きな武器だ。さらに戦術展開も多彩で、クレバーな選手との評判も高い。一皮剥けて、ランキング5位以上の選手と互角に戦える力はついたと言える。後はサービスと体力だ。

帰国後の会見で「2~3年後グランドスラムを勝ち取る」と言う。それには2週間で7試合勝ちきる体力と強靭な精神力を養うことだ。

[ビハインド・ザ・ゲーム/スポーツライター・鳴門怜央]
《NewsCafeコラム》
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