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馬にはいろいろな種類が存在する。普段テレビ中継でみる競走馬はサラブレットという種類であることをご存知だろうか。現在でもアラブ種というサラブレットに近い種類も競走馬として走っているがほとんどがサラブレットである。

競馬はブラッドスポーツと呼ばれるほど血統が重要な役割を占める。世界中で走っているサラブレットの祖先をたどっていくとダーレーアラビアン。バイアリーターク。ゴドルフィンアラビアンという3頭の馬にたどりく(現在生存しているサラブレットの父方をたどると行き着くもので必ずしもこの3頭だけがサラブレットの祖先というわけではない)。これを三大始祖という。言わば競走馬は国を問わずみな親せきということになる。

競馬新聞を見ると馬の左右に父馬と母馬の名前が書かれている。競馬を始めたばかりの頃は「何で親の名前が書いてあるんだ?」と不思議に思ったものだがこれは勝ち馬を予想するうえで重要な要素となる。

日本では毎年7000~8000頭のサラブレットが誕生する。当然母馬はそれぞれ違うが、父馬が同じ子馬が大勢いる。競馬の世界では優秀な血統を持つ種牡馬(父馬)は年間に200頭近くの繁殖牝馬(母馬)と交配することもある。有名なところではディープインパクトがこの数字に近い。

ディープインパクトのように現役時代にぶっちぎりに強かった馬から強い子供が生まれるとは限らない。まったく成績が振るわなかった馬から名馬が誕生することもある。種牡馬にも色んなタイプが存在し、子供にスピードを伝える馬、スタミナを伝える馬、ダートレースに適正がある馬など様々だ。生産者はその特徴を踏まえながら「走る馬」を誕生させるため試行錯誤している。

3歳馬ながら先日の安田記念を勝ったリアルインパクトの血統は父ディープインパクト。母トキオリアリティーとなっている。トキオリアリティーの父メドウレイク(リアルインパクトの祖父にあたる)はダート短距離のG1レースを勝っているスピード馬。その仔であるトキオリアリティー自身も短距離を得意としこれにディープインパクトを交配して誕生したのがリアルインパクトだ。

リアルインパクトの兄には現役の短距離路線で活躍するアイルラヴァゲインがおり競馬新聞でこの血統をみれば「この馬はスピードに優れた馬だ」ということが想像できる。予想をする上でも血統は非常に重要なのだ。

競馬には何百年もかけて繁栄してきた血統の物語がある。言葉ではうまく説明できないがレースを見ていると馬たちが本能で「競馬とは何か」と言うものも理解していると感じることがある。みなさんも血統に要点を絞って競馬を観戦されてみてはどうだろうか。調べれば調べるほど競馬の奥深さに気づくはずだ。
《NewsCafeコラム》
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